オックスフォード大で天皇陛下「豊かな機会と思い出を大事にしていきたい」…皇后さまに「名誉法学博士号」(2024年6月29日『読売新聞』)

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28日、オックスフォード大で皇后さまに対する名誉法学博士号の授与式に出席された天皇、皇后両陛下=ロイター
 【オックスフォード=水野祥】英国訪問中の天皇、皇后両陛下は28日昼(日本時間28日夜)、皇后さまが外務省時代に留学したオックスフォード大学ベリオール校で同大名誉総長主催の昼食会に出席された。
 宮内庁によると、陛下は皇后さまの恩師ら約40人を前に、「オックスフォード大が私と雅子に与えてくれている、比類ない豊かな機会とすばらしい思い出を大事にしていきたい」とあいさつされた。
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帰国のため関係者とあいさつされる天皇、皇后両陛下(28日、英ブライズ・ノートン空軍基地で)=代表撮影
 昼食会後には皇后さまに対する同大の「名誉法学博士号」の授与式が行われ、両陛下は黒い帽子と赤いガウン姿で、大学関係者の後に続いて会場に向かわれた。
 その後、両陛下は天皇陛下が学んだ同大マートン校を訪ねられた。陛下が同校に足を運ぶのは2001年以来で、同校学長から「覚えていますか」と尋ねられると、それぞれの建物を手でさしながら記憶をたどられた。両陛下は、再訪を記念するサクラを校内に植樹し、陛下が研究史料探しに通った図書館など、思い出の施設も一緒に巡られた。
 両陛下は22日からの訪問の全日程を終え、28日夜(同29日早朝)、英南部のブライズ・ノートン空軍基地から政府専用機で帰国の途に就かれた。29日夜、東京・羽田に到着される。

天皇、皇后両陛下がオックスフォード大を訪問…「思い出の地に二人で立つことができ本当に幸せ」(2024年6月28日『読売新聞』)
 
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 【オックスフォード=水野祥、沖村豪】英国訪問中の天皇、皇后両陛下は28日、ロンドンから車でオックスフォード大を訪ねられた。天皇陛下は1983~85年に同大マートン校に、皇后さまは外務省職員時代の88~90年に同大ベリオール校に留学された。お二人での訪問は初めて。
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オックスフォード大に到着し、出迎えを受けられる天皇、皇后両陛下(28日)=ロイター
 この日は、交通渋滞の影響で予定より約40分遅れてベリオール校に到着。同大のクリストファー・パッテン名誉総長らの出迎えを受けた後、皇后さまの研究の指導役ら恩師と対面された。
 これに先立ち、天皇陛下は27日午後(日本時間28日未明)、報道陣の取材に応じ、「思い出の地に戻ってきたという印象を強く持ちました」と訪英の感想を述べられた。多くの人から「お帰りなさい」と言われ、「うれしかった」とし、「雅子にとっても思い出の地ですので、二人で立つことができたことは、本当に幸せ」と語られた。
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オックスフォード大に到着し、出迎えを受けられる天皇、皇后両陛下(28日)=ロイター
 両陛下は28日夜(日本時間29日未明)、英南部の空軍基地から空路で帰国の途に就かれる。
 

天皇皇后両陛下、イギリス訪問を終えて政府専用機で帰国(2024年6月29日『テレビ朝日系(ANN)』)
 
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イギリスを訪問していた天皇皇后両陛下が帰国されました。
 天皇皇后両陛下を乗せた政府専用機は29日午後6時前、羽田空港に到着しました。
 両陛下は国賓として8日間、イギリスを訪問していました。
 タラップを降りてきた両陛下は、イギリス訪問中に国事行為の臨時代行を務めていた秋篠宮さまらの出迎えを受けられました。
 

両陛下、英国公式訪問からご帰国 国賓として多くの行事臨まれる(2024年6月29日『産経新聞』)
 
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英国から帰国の途に着かれる天皇、皇后両陛下=28日午後、ブライズ・ノートン英空軍基地(鴨川一也撮影)
国賓として英国を公式訪問していた天皇、皇后両陛下は予定されていたすべての日程を終え、29日、政府専用機羽田空港に到着された。
帰国に先立ち、両陛下は28日、お二方が留学した思い出の地、オックスフォード大をご訪問。それぞれの学び舎(や)などを見て回り、当時の恩師ら旧知の関係者と親しく懇談された。
また、皇后さまは今回の訪問に際し、大学から名誉学位を受けられた。天皇陛下とお二方で赤いガウンを着て授与式に臨み、その後、学内の一角に桜の木を記念植樹された。
両陛下は、22日に羽田発の政府専用機で英国に入られた。天皇皇后の国賓としての訪英は、平成10年の上皇ご夫妻以来26年ぶりで、歓迎式典やチャールズ国王夫妻主催のバッキンガム宮殿での晩餐(ばんさん)会などに臨まれた。
皇后さまは滞在中、予定されていたすべての公式行事に臨み、国王夫妻をはじめ王室メンバーと交流したほか、子供のための施設を陛下とともにご訪問。陛下はライフワークの「水」の研究に関わる施設を視察したほか、英女王エリザベス2世とフィリップ殿下の墓に供花するなど多くの行事に臨み、日英の友好親善に取り組む関係者らと交流された。(緒方優子)

「心温まる充実した滞在」 両陛下の英国訪問を終えての感想全文(2024年6月29日『毎日新聞』)
 
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名誉学位授与式を終え、構内を歩かれる天皇、皇后両陛下=英オックスフォードで2024年6月28日、ロイター
 
 天皇、皇后両陛下は29日、英国の公式訪問を終え、政府専用機羽田空港に到着された。
 
 天皇、皇后両陛下の英国訪問を終えての感想全文は次の通り。
 
 この度、英国政府から国賓としてご招待をいただき、二人で同国を訪問できたことをうれしく思います。チャールズ3世国王陛下には、ご病気のご治療中にありながら、私たちをお迎えくださり、国王王妃両陛下でホース・ガーズ・パレードでの歓迎式典と馬車によるパレード、バッキンガム宮殿での午さん会と晩さん会を催していただくなど、心をこめてご準備くださり、すばらしいおもてなしをいただいたことに深く御礼を申し上げます。また、国王王妃両陛下をはじめ、王室の方々と旧交を温めることができたことをうれしく思っております。
 ロードメイヤーをはじめとするシティー・オブ・ロンドンの方々にギルドホールでの晩さん会を催していただいたことに加え、それぞれの訪問先で英国の方々に温かく迎えていただいたことは、うれしく、ありがたいことでした。英国政府・国民の皆さんのご厚意に対し、心から感謝いたします。
 今回の訪問を通じ、我が国と英国の人々の間で長年にわたって培われてきた友好親善の歩みについて理解を深めることができました。日本と英国の交流にさまざまな形で携ってきた幅広い年代の方々に直接お会いしてお話しする中で、両国の友好親善関係が人々の交流を通じて深まってきたことや、英国の人々が日本に対して温かい気持ちを寄せていただいていることを実感し、うれしく思いました。
 フランシス・クリック研究所、王立音楽大学、V&A子ども博物館、オックスフォード大学などにおいて、日英両国の若い人々や子どもたちと交流することもできました。若い世代の人々が、今後もお互いの国に対する関心を深め、両国の相互理解と友好親善に大きな役割を果たしていくことを期待しています。
 今回、オックスフォードを初めて二人で訪れることができたことをうれしく思っています。オックスフォード大学では、パッテン総長に昼食会を催していただいたのに引き続き、皇后に名誉博士号を授与していただいたことを心からありがたく思いました。また、私たちが学んだマートン・カレッジ、ベーリオール・カレッジなどをそれぞれの学長にご案内いただき、思い出に満ちた場所を再訪することができるとともに、懐かしい方々にお会いできたことは、大変うれしいことでした。ロンドンと同じように、天気にも恵まれ、心温まる充実した滞在になりました。
 今回、初めて国賓として英国を訪れ、大変思い出深い訪問となりました。この訪問を準備していただいた日本と英国双方の多くの関係者の皆さんの尽力に深く感謝いたします。この度の訪問により、両国の国民の相互理解が更に深まり、日本と英国の友好親善と協力関係が一層進展することとなればうれしく思います。