大阪・関西万博の参加国などの担当者を集めた会議が、25日から奈良市で始まりました。海外パビリオンの着工が相次ぐ中、実施主体の博覧会協会は、展示内容やパビリオンの運営についても各国の要望を聞き、準備を着実に進めたい考えです。
来年4月に開幕する大阪・関西万博にはおよそ160の国や地域と9つの国際機関が参加を表明していて、担当者を集めた会議が25日から2日間の日程で奈良市で始まりました。
BIE=博覧会国際事務局のケルケンツェス事務局長は「最後の追い込みの段階だ。みんなで団結して準備を行い、数千万人の来場者にとって記念すべき万博にしよう」とあいさつしました。
参加国が自前で建設する「タイプA」と呼ばれる方式のパビリオンは建設の遅れが指摘されてきましたが、博覧会協会によりますと、「タイプA」を予定する51か国のうち40か国で建設会社が決まり、このうち32か国が着工したということです。
一方で、11か国ではまだ建設業者が決まっておらず、博覧会協会は開幕までに間に合うよう、ほかの方式での参加を含めた選択肢を提示しています。
博覧会協会によりますと、参加国の関心は展示に向けた準備やスタッフの確保などパビリオンの運営面に集まっているということで、今回の会議では、スタッフのビザの申請といった行政手続きの方法や宿泊場所などについての情報提供を行うことにしています。
イランが独自パビリオン建設断念 各国の「簡易施設」への移行進まず 数十億円捻出の案浮上(2024年6月25日『関西テレビ放送』)
大阪・関西万博に出展するイランが、独自パビリオンの建設を断念したことが分かりました。
イランの万博担当者は25日、関西テレビの取材に対し、「タイプA」と呼ばれる独自のパビリオンの建設を断念すると話しました。博覧会協会が簡易の施設を建設して引き渡す「タイプX」に移行するということです。
大阪・関西万博で独自パビリオンの建設を予定していた国は当初60カ国でしたが、国内事情などで断念する国が相次ぎ、現在は、50カ国となっています。
25日時点で独自のパビリオン「タイプA」を出展する国のうち、10カ国程度の建設業者が決まっておらず、博覧会協会が代わりに簡易の施設を建設して引き渡す「タイプX」を提案しています。
協会は、変更を想定して「タイプX」9棟の建設を進めていますが、現時点で移行したのは4カ国にとどまっています。
「タイプX」の整備費用などは出展する国が負担することになっていますが、関係者によるとすべてを回収することは難しい見通しだということです。
回収できなかった分は、会場建設費の予備費130億円から数十億円を捻出する案が出ていて、今月末の理事会で協議される予定です。
大阪・関西万博、開会式は2025年4月12日に開催決定(2024年6月25日『毎日新聞』)
開会式が開かれる大催事場の外観イメージ。愛称は「シャインハット」=2025年日本国際博覧会協会提供
2025年大阪・関西万博の「国際参加者会議」が25日、奈良県コンベンションセンター(奈良市)で始まった。会議の冒頭、日本国際博覧会協会の石毛博行事務総長は、開会式を開幕前日の25年4月12日に開くと明らかにした。万博には6月18日時点で161の国・地域と9国際機関が参加を表明している。会議には各国の代表ら600人以上が出席した。
石毛事務総長は「準備は建設から運営に大きくシフトしている。(会議は)対面でコミュニケーションする良い機会となる。皆様に対して最大の努力をする」などとあいさつ。自見英子万博担当相は「万博は世界の人が一堂に会し、人類の未来を考える絶好の機会になる。力を合わせて世界に感動を届けたい」と述べた。
博覧会国際事務局(BIE)のディミトリ・ケルケンツェス事務局長は「開幕まで300日を切った。資源と時間を最大限に生かし、効率的に働き、協力し合わないといけない。タイムリーな意思決定をするため、合意を促したい」と決意を述べた。
会議に出席した英国の担当者は「運営について詳しい情報を知り、意見交換もしたい。参加国と協会、日本政府が協力すれば、万博は成功すると確信している」と話した。