再来年、県内で開かれる国民スポーツ大会と全国障害者スポーツ大会を前に、障害がある人も困りごとなどを相談しやすい環境を整えようと青森県警察本部は、手話でも警察業務を行う「手話通訳官」を東北地方で初めて任命しました。
「手話通訳官」は困りごとの相談や刑事手続きなどの業務を手話を使って行う警察職員で、多くの人が県内を訪れると見込まれる再来年度の国民スポーツ大会と全国障害者スポーツ大会などでの活躍が期待されています。
このほど「手話通訳官」に弘前警察署地域課の黒滝和代課長が東北地方で初めて任命され20日、指定書が手渡されました。
このあと黒滝課長は耳が不自由な人が交通事故にあったことを想定したデモンストレーションを披露し、けがの有無や事故の状況などを手話ですばやく聞き取っていました。
黒滝課長はこれまで自主的に講習を受けるなどして手話を学んだということで「手話をもっと勉強しようと身が引き締まる思いです。それぞれの人に適した対応をしていきたい」と話していました。
耳が不自由な人への応対は、これまで筆談と、県や自治体に登録された手話通訳者への委託で行っていましたが、手話通訳官の任命で今後は迅速で正確な応対が期待できるということで、警察は今後、手話の講習を受講するよう警察職員に促し、「手話通訳官」を増やしていきたいとしています。