袴田ひで子さん「二度と起きないように」と全ての証拠開示訴え…再審制度の法改正目指す超党派議連で(2024年6月13日『読売新聞』)

キャプチャ
議連総会で法改正への思いを述べる袴田ひで子さん(13日)
 冤罪(えんざい)被害者の救済のため再審に関する法改正の実現を目指す超党派の国会議員連盟の総会が13日、東京都内で開かれた。1966年に静岡県で一家4人が殺害された事件で再審公判中の袴田巌被告(88)の姉ひで子さん(91)が招かれ、法改正への思いを訴えた。
 ひで子さんはゲストとしてマイクを握り、証拠開示が再審開始に大きく貢献したと振り返った。「(捜査機関が)証拠を隠してしまうことがある」と強調し、全ての証拠開示を訴えた。
 長期の身体拘束の影響で意思疎通が困難になっている袴田さんは「妄想の世界を行ったり来たりしている」といい、「皆様のお力で二度とこういうことが起きないようにご協力をお願いします。長い間の苦労が報われるように」と力を込めた。
 この日は、1967年に茨城県で起きた「布川事件」で強盗殺人罪に問われ、再審で無罪が確定した桜井昌司さん(2023年死去)の妻恵子さん(71)も出席した。恵子さんは「夫は再審開始決定が出た事件でも、検察の理由なき不服申し立てで取り消される異常事態に心を痛めていた」と話し、早期の法改正を求めた。