欧州議会選、極右が伸長 親EU会派は過半数維持(2024年6月10日『共同通信』)

 
 9日、ブリュッセルで、欧州議会選の暫定結果について話すEUのフォンデアライエン欧州委員長(ロイター=共同)

 9日、ブリュッセルで、欧州議会選の暫定結果について話すEUのフォンデアライエン欧州委員長(ロイター=共同)

 【ブリュッセル共同】6~9日投票の欧州連合(EU)欧州議会(定数720、任期5年)選挙の開票が9日始まった。議会事務局発表の推計では、EUの政策に批判的な極右や右派による2グループ(会派)が計12議席増の130議席へ伸長した。フランスのマクロン大統領は自身の与党連合が極右政党に大敗したことを受け、国民議会(下院)の解散総選挙を発表。続投を目指すフォンデアライエン欧州委員長を支える親EU3会派は、13議席減の計404議席となったが過半数を維持した。
 行政執行機関トップの欧州委員長は、加盟国首脳らによる欧州理事会が選挙結果を踏まえて提案し、欧州議会が多数決で承認する。議員の表決への統制が緩やかな欧州議会では、1割程度が造反したり棄権したりする可能性があるとされ、最終的に安定的な多数派を形成できるかどうかが焦点だ。
 9日深夜の推計では親EUの3会派が上位3位を占め、中道右派「欧州人民党(EPP)」が189議席で第1党を維持。中道左派「欧州社会民主進歩同盟(S&D)」が135議席で続いた。