秋篠宮ご一家(代表撮影)
この国の皇室とメディアは以前から不幸な関係にあるが、それが最近さらに悪化してきているように思う。それを感じさせたのは週刊新潮(5月30日号)の報道だった。
政府の有識者会議は2022年1月、皇位継承策として「女性皇族が婚姻後も皇室に残る」「旧宮家の男系男子を養子縁組で迎える」の2案を国会に提出した。だが、報告書を受け取った当時の細田博之衆院議長は、保守派への配慮もあってこの議論を避け続けた。
その真偽を確かめようと新潮が額賀に、「上皇后さまのご意向があったと聞きましたが」と尋ねると、「それまでの饒舌がうそのように突然沈黙。しばし静寂ののち、一方的に電話は切れてしまったのだった」(新潮)と報じたのである。
だが、朝日新聞Digital(5月23日15時49分)によれば、「西村氏は『我々の回答に一切触れていないというのはちょっとアンフェア』とも述べた」という程度らしい。
危機感がないというより、週刊誌報道なんかまともに相手にするかという底意が、私には感じられる。
ハイエナのごとき週刊誌は、くだんの男性を追いかけ、待ち伏せして直撃するが、「よくわかりません」と丁寧に答えるだけだ。だが、彼が「当確」となったら凄まじい取材合戦にさらされることは明らかである。宮内庁はどう対処するのだろう。
やはり秋篠宮家の長男・悠仁さまの大学進学問題もヤマ場である。週刊文春(6月6日号)では筑付高の同級生のA君が、「ひーくん(悠仁さんの愛称=筆者注)が東大の学校推薦に選ばれたとしても、別に驚きません」「学内でも成果をプレゼンし合う発表会がありますが、誰の研究のレベルが高いかというのは聞いていたら分かる。彼の発表のレベルが高いのは皆分かったと思います」と言っている。
にもかかわらず文春は、トンボの記録を継続するということを6歳で思い立つとは思えない。両親に言われ、秋篠宮家の職員たちが手を貸した「上げ底」ではないか。「一般入試で合格するほどの学力とも伝わってきていません」(秋篠宮家関係者)と、“いいがかり”のような記事作りである。
国民は皇室情報の多くを新聞、テレビからではなく週刊誌から知るのである。小室眞子さんのケースのように週刊誌が世論を形成していくのだ。今のような皇室(宮内庁)と週刊誌が、お互いを無視か敵対したままの状態は、国民にとって不幸だといわざるを得ない。(文中敬称略)