万博関連の掲示物を撤去 「抗議の意志」と大阪・交野市長 子供招待の学校意向調査巡り(2024年6月4日『産経新聞』)

 
小中生の万博招待を巡り、自身の考えを述べる大阪・交野市の山本景市長=5月30日(矢田幸己撮影)

大阪府交野市は4日、2025年大阪・関西万博に関するポスターやPOPなど掲示物を市役所をはじめとする市関連施設から撤去した。山本景市長は産経新聞の取材に、万博への小中生らの無料招待事業を巡る府の意向調査を改めて問題視し、「抗議の意志を込めた」と述べた。

一方で、市民に対する情報提供を制限することにもなり、自治体トップの判断として、批判を呼ぶ可能性もある。

吉村洋文知事が3日発表した調査結果では、府内の学校の約7割超が来場を「希望する」と回答した。ただ、山本氏は調査の選択肢に「希望する」と「未定・検討中」しかなく「調査は踏み絵だ」などと批判してきた。結果公表についても「単なるプロパガンダに過ぎない」とする。

山本氏によると、これまで府の要請を受け、ポスター掲示などの協力をしてきたが、抗議の意味合いを込めて撤去することを決めた。「理念を否定しているわけではない」とも述べ、万博の開催自体に反対ではないという。

小中生らの無料招待事業に関し、山本氏は先月24日、市立13校は学校単位での参加を見送る意向であることを明らかにしている。

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