■現地でも大人気 佳子さまがギリシャ訪問
地元メディアも連日報道。「ギリシャ人が佳子さまを愛する理由」という
コラムや、「自然な気品と美しさが脚光を浴びている」という指摘も。
そして、ギリシャ初の女性大統領・サケラロプル大統領、さらに首相夫妻とも懇談。
3回目となる外国公式訪問を終えた佳子さま。しかし、こうした皇室の活動に関わる問題が今、進行しています。それは「皇族の減少」です。
■皇族の減少で未来の皇室は…
そこで、5月から国会で始まったのが、衆参の議長や、与野党代表者が出席する皇室の課題に関する全体会議。
皇族数の確保に向けて、女性皇族が結婚後も皇室に残る案などが議論されましたが、意見の隔たりもあり、今国会でのとりまとめは困難に。
また今回、正面から議論されていない課題…それが皇位継承を巡る問題です。2005年、愛子さまの誕生を受け、小泉政権の時に、「女性・女系天皇」を容認する報告書がまとめられましたが、具体的な動きは進んでいません。
「現在の議論は『公務を担ってもらう人を増やす形』になっていて『安定的な皇位継承』という問題については、基本的に議論されていない。結局、先送りになっている」
■イギリス王室では変化が…
継承問題など、制度を巡って変化を経てきたのが、日本の皇室と同様、長い歴史を誇るイギリス王室です。
これまでも女性が王位に就くことはできましたが、2013年、約300年ぶりに法律を改正。王位継承を男子優先から、男女に関わらず第一子を優先する形に移行しました。スウェーデン、デンマークなども同様の変更を行っています。
こうした制度変更が進んだ背景には、国民の理解があったと王室事情に詳しい君塚教授は語ります。
君塚直隆 教授(関東学院大学・英国政治外交史):
「国民あっての王室ですから、国民の支持、支えなくして王室の維持はあり得ない。それがあったから、(制度が)変わった訳なんです。特にイギリスの場合は、色々、広報を展開して、国民も王室のことをを分かってくれて、支えてくれるようになった」
国民にとって身近で開かれた王室を目指したイギリス。2022年に亡くなったエリザベス女王は、積極的に王室の活動を国民にアピールしていました。現国王も、絶えず投稿を行っています。
■日本の皇室もSNSをスタート
女性:
「開かれて活動なさってるのが見えてればいい」
男性:
「変化は感じます。オープンになった気がします」
■時代を経る中で変化する天皇像
「日本国民統合の象徴として、現代にふさわしく、天皇の務めを果たしていきたいと思います」
戦地の慰霊や、被災地の訪問など、常に国民に寄り添う姿勢を見せてきた皇室。これからのありようについて専門家は…
「象徴というのは憲法の中に『国民の総意に基づく』と書いてある。非常に概念は曖昧なんですけれども、時代の要請とか、国民の期待とか、複雑に絡み合いながら、社会が規定してきたもの。象徴としての姿は、我々主権者が、きちんと考えて議論していかなきゃいけない」
(「サンデーモーニング」2024年6月2日放送より)