住宅や病院などを見境なく攻撃し、どれだけの犠牲者を出すつもりなのか。人道の危機を拡大し続けるイスラエルの強硬姿勢は看過できない。
ラファには、ガザ北部や中部から逃れてきた数十万人がなおとどまっている模様だ。軍はエジプトとの間の検問所を制圧し、食料などの搬入も妨げている。
イスラエルは「ラファへの攻撃は限定的だ」と主張しているが、日々、犠牲者は増えている。
ガザ侵攻開始から7か月で、女性や子供を含む住民3万5000人以上が死亡した。イスラエル軍が人命を顧みない無差別攻撃を仕掛けている結果だ。
だが国際社会の批判はむしろ、過剰な反撃を続けるイスラエルに向けられるようになった。
日本が、こうした国際社会の動向を「注視している」などと紋切り型の説明で済ませているのは物足りない。人命や人権の尊重といった普遍的な価値を重視する観点から、関係国に戦闘停止を強く働きかける外交を展開すべきだ。