つばさの党代表ら3人逮捕 選挙妨害の疑い 衆院東京15区補選で(2024年5月17日『毎日新聞』)

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公選法違反容疑で逮捕された「つばさの党」代表の黒川敦彦容疑者(右)と党幹事長の根本良輔容疑者。衆院東京15区補欠選挙で街頭演説をしていたときの様子=東京都江東区で2024年4月25日午後3時2分、深津誠撮影
 4月の衆院東京15区補欠選挙で、他候補らの選挙運動を妨害したとして、警視庁捜査2課は17日、政治団体「つばさの党」代表の黒川敦彦(45)や、補選で落選した党幹事長の根本良輔(29)両容疑者ら3人を、公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで逮捕した。 
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 東京15区補選では、告示日の4月16日にJR亀戸駅(東京都江東区)前で乙武洋匡氏(48)陣営の演説を妨害したとして、警視庁が2日後の18日、黒川氏や根本氏ら3人を自由妨害違反で警告。つばさの党は警告後の選挙期間中も妨害行為を繰り返しており、他にも複数の陣営が、選挙妨害の被害届を警視庁に出していた。
 警視庁は5月13日に、つばさの党の事務所など関係先を自由妨害容疑で家宅捜索していた。【遠藤龍、森田采花】
 
「つばさの党」代表ら3人逮捕 他陣営の選挙活動を妨害した疑い(2024年5月17日『東京新聞』)
 
 4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で、他陣営の選挙活動を妨害したとして、警視庁捜査2課は17日、公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで、政治団体「つばさの党」代表の黒川敦彦容疑者(45)=埼玉県朝霞市=、同補選に立候補した同党幹事長の根本良輔容疑者(29)=東京都練馬区=ら3人を逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。
 「つばさの党」は東京15区補選の期間中、他陣営の街頭演説に乗り込み、演説が聞こえなくなるほどの大音響で批判や主張を繰り返すなどしていた。警視庁はこれらの行為が選挙の自由妨害に該当すると判断。13日に千代田区の党事務所などを家宅捜索した。対立陣営への自由妨害容疑で候補者らを立件するのは極めて異例。
 つばさの党による他陣営への妨害行為は、補選が告示された4月16日から始まった。警視庁は同18日、黒川容疑者ら3人に対し、公選法に基づく警告を出したが、その後も妨害行為を続けていた。
 公選法は候補者に暴行したり、演説を妨害したりすることを「自由妨害罪」として禁じ、違反した場合は4年以下の懲役または禁錮、100万円以下の罰金を科している。
 東京15区補選は、公選法違反罪で有罪判決を受けた柿沢未途氏=自民党離党=の議員辞職に伴って実施され、新人と元職の9人が立候補し、根本容疑者は最下位で落選した。
 
つばさの党 代表ら3人を逮捕「選挙の自由妨害」の疑い 警視庁(2024年5月17日『NHKニュース』)
 
 先月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体「つばさの党」の陣営が拡声機などを使ってほかの陣営の演説が聞き取れないようにして、選挙活動を妨害したとして、警視庁が選挙に立候補した幹事長や代表ら3人を公職選挙法の「選挙の自由妨害」の疑いで逮捕したことが捜査関係者への取材でわかりました。
 逮捕されたのは政治団体「つばさの党」の幹事長で、選挙に立候補した根本良輔 容疑者(29)と、代表の黒川敦彦 容疑者(45)、それに、運動員の杉田勇人 容疑者(39)の3人です。
 捜査関係者によりますと、3人は先月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、拡声機などを使ってほかの陣営の演説が聞き取れないようにして選挙活動を妨害したとして、公職選挙法の「選挙の自由妨害」の疑いがもたれています。
 警視庁は今月13日に、団体の事務所や容疑者らの自宅を一斉に捜索するとともに、ほかの陣営からの被害届を受理して聞き取りを行うなどして捜査を進めてきました。
 容疑者らは選挙期間中にほかの陣営の選挙カーを追い回すなどの妨害行為も繰り返していて、警視庁は妨害の目的や詳しい経緯をさらに調べることにしています。
 警視庁によりますと、選挙に立候補していた陣営がほかの陣営の選挙活動を妨害したとして候補者らが逮捕されるのは極めて異例だということです。
 一方、黒川代表は捜索を受けた際、「我々の行動が選挙妨害になった判例および法的事実はないので、表現の自由のなかで適法なことをやっていると理解している」などと反論していました。