“もうひとつの首都決戦”都議補選「自民」は負け越し必至…「都ファ」は4候補が全員討ち死に危機(2024年7月3日『日刊ゲンダイ』)

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東京・中野区候補の「都民ファーストの会」の荒木千陽氏(C)日刊ゲンダイ
 東京都知事選と同じ7日投開票のもうひとつの首都決戦・都議補選。国政選挙の前哨戦として裏金事件で大逆風の自民がどこまで負け込むのか注目されている。都内の9選挙区(江東区、品川区、中野区、北区、板橋区、足立区、八王子市、府中市南多摩=多摩市と稲城市)で行われており(定数各1)、自民は南多摩を除く、8選挙区に候補を擁立した。
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「現状、勝てそうなのは北区だけ。江東区は横並びの接戦。全敗は避けられても負け越す恐れが高い。茂木幹事長が3日と4日応援に入る。秋の総裁選に向けたアピールもあるのでしょうが、人気のない茂木さんが来ても逆効果じゃないか」(自民党関係者)
■思わぬ苦戦に最終日に小池都知事が応援調整中
 旗色が悪いのは自民だけじゃない。都知事選ではリードしている小池百合子知事(71)が特別顧問を務める地域政党都民ファーストの会」の候補も全員討ち死にしそうになっているのだ。
 都議補選で都ファは中野区、北区、板橋区南多摩に擁立。都議会は現状、自民が最大会派(27議席)、都ファが第2会派(25議席)なのだが、告示前の下馬評では、都ファが最大会派に躍り出る可能性さえ囁かれていた。ところが、各種情勢調査では苦戦している。
「中野は小池知事の秘書の元職・荒木千陽さんで、早々に頭一つ抜けると思われていたが、現状、共産候補がトップで荒木さんは2番手、自民が3番手。小池知事の学歴詐称疑惑を告発した元側近・小島敏郎氏が荒木落選を狙って候補を立てたことが、ネガティブキャンぺーンになっている」(都ファ関係者)
 板橋は、無免許運転が発覚して辞職した元都ファ都議の選挙区。都ファへのイメージが悪い。北区は区議選トップ当選経験者を擁立したが、勢いがない。痛いのは南多摩だ。都ファ都議の死去に伴う弔い選挙で、都ファ有利とみられていたのに、フタをあけてみれば立憲候補に負けている。
 自民も都ファもダメで、各選挙区で優位な戦いを進めているのは、候補擁立をすみ分けた立憲民主党共産党である。
「小池知事はかわいがっている荒木さんだけは何としても当選させたい。最終日に荒木さんの中野区に応援に入る方向で調整している」(前出の都ファ関係者)
 小池知事は3選を果たしたとしても、側近を落とせば、メンツ丸つぶれだ。
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