太平洋戦争末期に撃沈された旧日本海軍の戦艦「大和」が山口県岩国市沖を航行しているカラー映像が、米国立公文書館の資料から見つかった。大分県宇佐市の市民団体が発見し、12日に発表した。大和の映像が公開されるのは初という。
![航行する戦艦「大和」(1941年撮影)=大和ミュージアム提供](https://www.yomiuri.co.jp/media/2024/05/20240513-OYT1I50049-1.jpg?type=large)
発見したのは、太平洋戦争の資料を収集、調査している「
映像は1945年3月19日、米海軍機が数キロ離れた場所から撮影したとみられる。空襲で水柱や水煙が上がる中、航跡を残しながら右旋回する様子が、16秒間収められている。戦艦の姿は小さいものの、艦首から艦橋までが長く、艦橋が高いといった大和独特の特徴が見られるという。
映像の航跡や水柱の位置が、大和の記録写真に写ったものと一致することと、米軍の戦闘記録などを踏まえ、同塾は大和だと判断した。大和の映像を巡っては、日本側が撮影したものも含め、これまで見つかっていなかった。
広島県呉市海事歴史科学館「大和ミュージアム」の戸高一成館長は「場所や日時などから、大和に間違いないだろう。写真は多いが、やはり映像もあったかと驚いた。歴史的に重要で貴重な発見だ」と評価した。
分析した同塾の戦史研究家
◆ 戦艦「大和」 =広島県呉市の呉海軍