立民VS維新=補選全敗の泉VS万博逆風の吉村 自民不在“東京の陣”3補選告示前最後の日曜日(2024年4月15日)

スポニチアネックス

 衆院東京15区補欠選挙(16日告示、28日投開票)で14日、次期衆院選で野党第1党の座を争う立憲民主党泉健太代表と日本維新の会の吉村洋文共同代表(大阪府知事)がともに選挙区入りし、公認候補への支持を訴えた。直近2回の国政選挙で議席を減らしている立民。対照的に議席を伸ばしてきた維新。告示直前の日曜日に早くも、しのぎを削る両党の争いが過熱した。

 公選法違反事件で有罪が確定した柿沢未途前議員=自民離党=の辞職に伴う補選。擁

立した金沢結衣氏と並び立った吉村氏は、争点について「政治と金」と強調。派閥の裏金事件に揺れる自民党に加え、立民にも批判の矛先を向けた。

 柿沢氏の事件で立民の現職区議(当時)が金銭を受け取っていたことを繰り返し指摘。「(裏金事件で)立憲民主党も偉そうなことを言っているけど、柿沢さんからお金を受け取った現職の区議会議員がいる。おかしいじゃないですか」と語気を強めた。

 党として誘致を進めた2025年大阪・関西万博の話題は封印。13日に開催1年前のイベントが都内で行われ機運醸成に向けアピールするかと思われたが、世論調査では開催に批判的な意見が多数。逆効果と考えたのか、一言も触れなかった。

 一方、2日連続で街頭に立った泉氏も自民の政治と金の問題を追及。公認候補の酒井菜摘氏の横で「裏金問題で白か黒か、許すか許さないかということ」と訴え、小池百合子東京都知事が特別顧問を務める地域政党が設立した「ファーストの会」が推薦する無所属の乙武洋匡氏にも切り込んだ。

 自民の推薦話が持ち上がっていたことを踏まえ「与党か野党かはっきりしなかったら、国政でどんな立場に立つんですか?」と声を張り上げた。

 3月末の党大会で決定した活動方針で「野党第1党」を目指すと明確に掲げた維新。党勢拡大を前面に打ち出しているが、万博不人気の影響で政党支持率に陰りが見えている状況だ。立民は泉氏が代表に就任した21年11月以降、22年の参院選議席を減らしたほか、公認候補を立てた国政補選で全敗。今回の3補選の結果次第では「泉降ろし」が始まるとの見方もある。

 東京15区と同様、自民党が独自候補の擁立を断念した長崎3区では事実上の両党一騎打ちの構図。今月上旬には両党幹部が選挙区入りするなど、こちらでも火花を散らしている。次期衆院選の前哨戦と位置付けられる3補選。立民と維新による政権批判票の争奪戦はますますヒートアップしていきそうだ。

(佐藤 昂気)