衆院東京15区補選(江東区、28日投開票)は、9人の候補者が出馬して大乱戦が展開されている。立憲民主党から出馬した元江東区議、酒井菜摘氏(37)は、共産党などの支援も受けて、一部の情勢調査でリードが伝えられる。
このためか、立憲民主党の辻元清美代表代行が応援に駆け付けた18日の街頭演説では、油断を戒める言葉も。他候補からは、告示日(16日)夜に行われた「ネット討論会」に酒井氏が欠席したことに批判が噴出している。
■ネット討論会欠席で批判噴出、理由をたずねると「日程の都合で…」
「きょうは選挙戦3日目。たくさんの方から『頑張って』という声や、『投票してきたよ』という声をいただいています」「まだ、私は油断してはならないし、気を引き締めて最後まで走り抜けたい」 酒井氏は18日午後、江東区内の商店街を練り歩き、力を込めてこう訴えた。
看護師・助産師を経て、2019年の江東区議選で初当選した。区議を2期務めて知名度もあり、昨年12月の江東区長選では次点で惜敗した。
今回、酒井氏は「古い政治ときっぱり決別」などと訴える。共産党や社民党などが支援に回っており、一部の情勢調査では「一歩抜け出した」と伝えられる。
だが、応援に駆け付けた辻元氏はこう否定した。
「私は『危ない』と思っています。『優勢だ』なんて言い回っている人がいますけど、いつもこの手に引っかかるんです! どうなるか分かりません。補欠選挙は投票率も低い」「接戦、大接戦、大混戦になっています!」
酒井氏をめぐっては、東京青年会議所などが16日夜に共催した「ネット討論会」を、9候補の中で唯一、「多忙」を理由に欠席したことが波紋を広げている。
無所属で出馬した作家の乙武洋匡氏(48)は討論会で、「立憲民主党さんが憲法の話、外交安全保障の話に加わってこないというのは本当に残念」「逃げたと思われてもしょうがない」と批判した。ネット上にも厳しい意見が並んでいる。 なぜ、討論会に出席しなかったのか?
夕刊フジは18日、商店街での練り歩きを終えた酒井氏に直接聞いた。
酒井氏は「選対の日程の都合で…」と返答した。陣営の関係者は「青年会議所側から前日の夜中に質問内容がようやく届いたので」と語った。
確かに、出席した別の候補者からも「テーマは当日直前に知らされて、ぶっつけだった」という声もあった。