主演映画『ミッシング』、舞台あいさつ冒頭で涙する場面
俳優の石原さとみが16日、都内で行われた主演映画『ミッシング』(5月17日公開)の完成披露試写会に出席。舞台あいさつ冒頭、涙する場面があった。
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吉田恵輔監督によるオリジナル脚本。愛する娘の失踪事件をきっかけに、自分たちの力ではどうにもできないもどかしさに苦しみ、マスコミと世間の声に翻弄(ほんろう)される母親とその家族を描く。石原は、出口のない迷路をさまよい続ける母親・沙織里を演じた。
石原にとって本作は、2022年に第1子を出産し、1年9ヶ月ぶりに芝居に挑んだ映画。舞台あいさつ冒頭、マイクを持った石原はすでに涙目。「みなさん……」とあいさつしようとすると涙がこみ上げてきたようで「早い!」と自分で自分をツッコんだ。
石原は「出る前にいろんな方から、いろんな言葉をかけてもらって、本当に幸せ。来月公開でまだ早いんですが、夢がかなった作品です」としみじみ。「宝物のような作品。この経験は何年たってもこの作品が転機だと言える。そのくらい宝物のような作品で、時間です。お届けできることが緊張しますが、うれしい」と声を震わせた。
本作への出演は、石原が吉田監督に逆オファー。「7年前に『このままじゃいけない。変わりたい。自分を壊してほしい』という衝動にかられた。私を変えてくれる人は誰だと思って、吉田監督なら変えてくれる。絶対に学びがある」と直感。人づてに吉田監督を紹介してもらい、直接会って出演したいと直談判した。
しかし、吉田監督は「すいません、苦手です」と一度断ったという。「石原さんは華がすごい。俺の映画は地味。石原さんからは港区臭がすごくて、ごめんなさいと……」とした。その後、3年間音沙汰なかったが、本作の脚本を書き上げて石原に出演をオファー。石原の妊娠、出産を待ってからクランクインとなった。
沙織里を演じるにあたり、石原はわざと髪を痛めつけた。「監督と一緒に美容院に行って髪の毛を一番傷ませるためにはどうすればいいですかって。まだらに染めてそのままボディーソープで毎日洗ったらすごく痛みました。おすすめです(笑)」と明かした。
吉田監督は、現場を振り返り「沙織里をこの世におろして取り憑かれたようだった。どう扱っていいか、わからないまま恐る恐る撮っていた。現場には沙織里がいた」と石原の迫真の演技を絶賛。石原は「ありがとうございます。頑張りました」と胸を張った。
解説
「空白」「ヒメアノ~ル」の吉田恵輔監督が、石原さとみを主演に迎えてオリジナル脚本で撮りあげたヒューマンドラマ。幼女失踪事件を軸に、失ってしまった大切なものを取り戻していく人々の姿をリアルかつ繊細に描き出す。
沙織里の娘・美羽が突然いなくなった。懸命な捜索も虚しく3カ月が過ぎ、沙織里は世間の関心が薄れていくことに焦りを感じていた。夫の豊とは事件に対する温度差からケンカが絶えず、唯一取材を続けてくれる地元テレビ局の記者・砂田を頼る日々。そんな中、沙織里が娘の失踪時にアイドルのライブに行っていたことが知られ、ネット上で育児放棄だと誹謗中傷の標的になってしまう。世間の好奇の目にさらされ続けたことで沙織里の言動は次第に過剰になり、いつしかメディアが求める“悲劇の母”を演じるように。一方、砂田は視聴率獲得を狙う局上層部の意向により、沙織里や彼女の弟・圭吾に対する世間の関心を煽るような取材を命じられてしまう。
愛する娘の失踪により徐々に心を失くしていく沙織里を石原が体当たりで熱演し、記者・砂田を中村倫也、沙織里の夫・豊を青木崇高、沙織里の弟・圭吾を森優作が演じる。
2024年製作/119分/G/日本
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:2024年5月17日
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ENCOUNT編集部