車いすテニス ジャパンオープン 小田凱人2連覇 男子シングルス(2024年4月14日『NHKニュース』)

 


車いすテニスの国際大会「ジャパンオープン」の男子シングルスの決勝が行われ、17歳の小田凱人選手が2連覇を果たしました。

この大会は車いすテニスのツアーで四大大会に次ぐ格付けの大会で、福岡県飯塚市で開かれ、パリパラリンピックを前に21の国と地域からおよそ100人が参加しました。

14日は男女シングルスの決勝が行われ、このうち、男子はパリパラリンピックで活躍が期待される世界ランキング2位の小田選手が、世界1位でイギリスのアルフィー・ヒューウェット選手と対戦しました。

第1セットは小田選手が持ち味の強烈なサーブや緩急をつけたショットでポイントを重ね、第1ゲームから5ゲームを連取して6-1で取りました。

第2セットは相手に先に5ゲームを取られたものの、小田選手が第7ゲームから5ゲームを連取して勝負強さを見せ、その後、7ポイント先取のタイブレークにもつれ込みました。

小田選手は力強いショットでポイントを重ね、最後はバックハンドのコースを突いたショットを決めてこのセットを7-6で制し、セットカウント2対0のストレート勝ちで2連覇を果たしました。

小田凱人「すごくいい経験値になった」

小田凱人選手は対戦したイギリスのアルフィー・ヒューウェット選手に、ことし1月の全豪オープンでは勝ったもののその後は2連敗していて、「久しぶりに緊張したが、第1セットは自分の思いどおりに進めることができて、第2セットは1-5から追い上げることができたのですごくいい経験値になった」と振り返りました。

また、「去年と比べてたくさんの人が見に来てくれてすごくうれしかったし、僕も多くの人に見てもらいたいと思いながらやってきているので、きょうのようなプレーができたのはめちゃめちゃうれしい」と話していました。

そのうえで、ことし8月に開幕するパリパラリンピックに向けて「まだパリ大会までいくつか大会があるが、ここからパリまで勝てば勝つほどパリでの勝率は上がっていくと思うので、自分でも楽しみだ」と意気込みを示していました。

女子シングルスは上地結衣が6年ぶりの優勝

一方、女子は世界2位の29歳、上地結衣選手が世界5位でオランダのアニーク・ファン コート選手と対戦しました。

上地選手は第1セット、相手の力強いショットに苦しみ2-6で落としましたが、第2セットを6-1、第3セットを6-0で取ってセットカウント2対1で勝ち、6年ぶりの優勝を果たしました。

上地結衣「金メダルを取って またこの場所に」

6年ぶりの優勝を果たした上地結衣選手は「しっかりと強打してくる相手だったので、ペースを1回落として相手の力の入らないところから自分の展開に持っていくということを途中から意識したことで勝利につながった。たくさんの人たちが見に来てくれた中で優勝できてすごくうれしい」と喜びを語りました。

今大会には、世界1位でオランダのディーデ・デ フロート選手が出場しなかったことを踏まえ、パリパラリンピックに向け「パリ大会まで時間はもうあまりないが、しっかりと準備をして金メダルを取ってまたこの場所に戻って来られるように頑張りたい」と意気込みを示しました。