カンヌ映画祭「ある視点」部門で28歳・奥山大史監督「ぼくのお日さま」が出品作に(2024年4月11日『読売新聞』)

カンヌ映画祭

 南仏カンヌで開催される第77回カンヌ国際映画祭(5月14日~25日)のコンペティション部門などの出品作が11日、発表された。日本からは、コンペに次ぐ主要部門「ある視点」部門に奥山 大史ひろし 監督(28)の「ぼくのお日さま」が選ばれた。同部門に日本人監督の作品が選ばれるのは、2022年の早川千絵監督「PLAN 75」以来、2年ぶり。

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「ぼくのお日さま」 (C)2024「ぼくのお日さま」製作委員会/COMME DES CINEMAS

「ぼくのお日さま」 (C)2024「ぼくのお日さま」製作委員会/COMME DES CINEMAS

 「ぼくのお日さま」は、田舎町のスケートリンクを舞台に、アイスホッケーが苦手な 吃音きつおん の少年と、選手になる夢をあきらめたスケートのコーチ、コーチに憧れる少女の3人の視点で描かれる恋の物語。奥山監督が脚本と撮影、編集も手がけており、コーチ役で池松 壮亮そうすけ さんが出演している。日本では9月に公開予定。

 なお、この日の発表では同作のほかに日本映画の選出はなかったが、今後、コンペ部門などに追加作品として選ばれる可能性も残されている。
 


『僕はイエス様が嫌い』の奥山大史さんが監督を務め、池松壮亮さんが出演、ハンバート ハンバートさんの代表曲と同名タイトルの映画『ぼくのお日さま』の公開が決定しました。
映画『ぼくのお日さま』は、雪の降る街を舞台に、吃音をもつホッケー少年のタクヤと、フュギュアスケートを学ぶ少女さくら、そして元フィギュアスケート選手でさくらのコーチ荒川の3人の視点で紡がれる物語。

奥山監督が子供の頃に約7年間フィギュアスケートを習っていた経験から、「雪が降り始めてから雪が解けるまでの少年の成長を描きたい」と本企画をスタート。本作の主題歌「ぼくのお日さま」は、ハンバート ハンバートさんが2014年に発表したアルバム「むかしぼくはみじめだった」に収録された楽曲で、監督がプロットを考える中でこの曲と出会い、その歌詞を聞いた途端、「主人公の少年の姿がはっきり浮かび、物語がするすると動きだした」といいます。

一方、本企画をスタートさせる前後に、奥山監督が総監督を務めたHERMÈSのドキュメンタリーフィルム「HUMAN ODYSSEY 」で池松さんと撮影を共にした際、奥山監督が池松さんの佇まいに魅せられ、この物語に大人の目線を加えたいと思ったことから「夢に敗れた元フィギュアスケート選手のコーチ」という池松さんが演じるキャラクターが生まれました。

また、デビュー作『僕はイエス様が嫌い』に続き、本作でも監督、撮影、脚本、編集を手がける奥山監督は、スケートを滑りながら、カメラを回しています。
本作は、釜山国際映画祭2022 で行われた世界40カ国288企画からなる「Asian Project Market 2022」で「ARRI アワード」 を受賞しているほか、これまで濱口竜介監督、三宅唱監督らの作品を世界へ紹介してきたフランスの会社シャレードによる海外セールスも決まっており、黒沢清監督や深田晃司監督の作品をフランスで公開してきたアートハウス・フィルムズの配給により11月にフランス公開される予定です。

あたたかくて懐かしい。でも、誰も観たことがない“新しい”日本映画が誕生しました。映画『ぼくのお日さま』は《今秋》テアトル新宿、TOHOシネマズシャンテ ほかにて全国公開となります。