ライドシェア解禁賛成6割 利用経験者が支持、民間調査(2024年4月11日『日本経済新聞』)

 
夜の繁華街などでタクシーの行列ができる一方で、タクシーがつかまらなかった経験がある人は少なくない=共同
 

MMD研究所を運営する調査会社のMMDLabo(東京・港)は11日、一般ドライバーが有償で乗客を運ぶ「ライドシェア」の解禁について賛成が57.8%だったとの調査結果を発表した。海外などでライドシェアを利用したことがある人のうち、84.7%が周囲の人に「すすめたい」と答えた。料金が安いことなどが支持されている。

 
地域や時間帯を限定する「日本版ライドシェア」は8日に始まった。すでに導入されている海外とは違い、タクシー会社が運行を管理して料金もタクシー並みという独自のサービスだ。ダイナミックプライシング(変動価格制)の導入などについて、政府は6月をめどに結論を出す方向で議論を進める。

MMD研究所がライドシェアについてインターネットを通じてアンケート調査をした。3月29日〜4月1日までの期間に18〜69歳の男女計7000人から回答を得た。ライドシェアの認知度は全体の54.9%で、利用したことがある人は4.7%だった。ライドシェア解禁に対する賛否について聞いたところ、3270人のうち57.8%が賛成と答えた。タクシー不足解消につながると期待する人が多かった。

 
利用経験のある人に理由を聞いたところ、「安く移動したかった」と答えた人が39.6%だった。使った場面別では旅行先での移動が55.9%で最も多かった。利用者の満足度は85.6%と高く、84.7%が周囲の人に「すすめたい」と答えた。海外旅行や駐在でライドシェアを使った人は利便性を評価している。

人手不足を背景にライドシェアの注目は集まるが、タクシー業界の強い反発もあって日本では導入議論が遅れてきた。調査では、タクシーを利用したことがあると答えた4101人のうち、タクシーがつかまらなかった経験があると答えた人は56.4%だった。タクシー会社もアプリでの配車を採用するなどして利便性を高めようとしている。