小池都知事「学歴詐称疑惑」再燃 衆院東京15区補選“アウト”…「女帝」頼みの岸田首相も打つ手なし(2024年4月11日『日刊ゲンダイ』)

今度は元側近が暴露(小池百合子都知事)/(C)日刊ゲンダイ

 くすぶり続ける小池百合子都知事学歴詐称疑惑に新たな展開だ。10日発売の月刊誌「文藝春秋」が「『私は学歴詐称工作に加担してしまった』 小池百合子都知事 元側近の爆弾告発」と題した記事を掲載。エジプトを代表する名門「カイロ大学」卒業に、改めて疑義が生じた。

 

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 証言したのは、小池知事が率いる「都民ファーストの会都ファ)」の元事務総長の小島敏郎氏。2016年に小池知事が知事に初当選した際、都の特別顧問に就任した。環境省の元官僚で、大臣だった小池知事と共に「クールビズ」を推進。小池側近と呼ばれた人物だ。

 小島氏の証言の概要はこうだ。小池知事の2期目をかけた知事選目前の20年5月下旬、学歴詐称疑惑を告発したノンフィクション書籍「女帝」が出版された。都議会が大荒れとなり、困り果てた小池知事は小島氏に相談。小島氏は解決策として、卒業を証明する声明文をカイロ大に出してもらうよう要請してはどうかと提案した。

 すると、その3日後にカイロ大の学長の署名入り声明文が、駐日エジプト大使館のフェイスブックに掲載された。声明文には、カイロ大として、小池知事が同大を卒業したことを証明する旨の記載があった。これを受け、事態は沈静化したという。

 ところが、である。小島氏は後日、小池知事のブレーンの元ジャーナリストと面会した際、「実は駐日エジプト大使館のフェイスブックに上げられたカイロ大学声明は、文案を小池さんに頼まれ、私が書いたんです」と打ち明けられたというのだ。つまり、小池知事は卒業を証明するために声明文を自ら捏造した疑いがあるということだ。小池知事は文藝春秋に「回答する義務はなく、回答する必要性も存在しないと考えている」と代理人弁護士を通じて答えている。

 小池知事の学歴詐称疑惑を巡っては、日刊ゲンダイも過去、たびたび報じてきた。昨年11月には、エジプト留学時代の小池知事の同居人だった北原百代さんの告発記事を掲載。北原さんの証言や小池知事の過去の著書から、カイロ大への入学、卒業時期の矛盾が浮き彫りになった。やはり、小池知事の経歴はウソの可能性がある。

乙武洋匡氏の応援で表に出るのは厳しくなった

“小池印”の衆院東京15区補選候補、乙武洋匡氏(C)日刊ゲンダイ

 小島氏の新証言は小池知事にとって大打撃だ。16日告示、28日投開票の衆院東京15区補欠選挙に“参戦”しているが、学歴詐称疑惑の再燃が選挙の行方に影を落とす。

「知事は作家の乙武洋匡氏の擁立を主導しました。8日の出馬会見では、会見場に乙武氏と知事の写真を並べたポスターをそこかしこに掲示。無所属ながら、乙武氏は完全な“小池印”です。知事は選挙期間中に応援に入り、当選をもぎ取ることで存在感をアピール。夏の知事選につなげる腹づもりだったが、今回の報道は手痛い。応援で表に出るのは厳しくなった。囁かれる国政進出も立ち消えだろう」(都政関係者)

 補選は長崎3区と島根1区でも行われる。「3敗」を避けるため、小池知事にすがるしかない岸田自民も当てが外れた格好だ。

「裏金事件の影響で、自民は候補擁立が難航。長崎は不戦敗を選びました。唯一擁立を決めた島根は保守王国ながら、既に絶望的な情勢です。何とか『3敗』を避けるため、東京では小池さんと共同歩調をとり、乙武さんを支援することで事実上の『勝ち』を拾う戦略を描いていた。しかし、小池さんの学歴詐称疑惑は確実にマイナスです。3戦全敗の可能性が高まりました」(官邸事情通)

 岸田首相も“女帝”も打つ手なしか。

 

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