沖縄 うるま 陸自訓練場の整備 計画を白紙に戻す方向で調整(2024年4月11『NHKニュース』)

 


沖縄県うるま市のゴルフ場跡地に陸上自衛隊の訓練場を整備する計画をめぐり、防衛省は、地元から反対の意見が相次いでいることを踏まえ、土地を取得しない可能性も含め、計画を白紙に戻す方向で調整していることがわかりました。

沖縄県うるま市のゴルフ場跡地に陸上自衛隊の訓練場を整備する計画をめぐっては、周辺が住宅地であることなどから地元の住民から撤回を求める声が相次ぎ、岸田総理大臣は、土地利用のあり方を再検討する考えを示していました。

これについて防衛省は、地元の理解を得るのは難しいとして、訓練場として整備することは断念し、土地を取得しない可能性も含め、計画を白紙に戻す方向で調整していることがわかりました。

11日にも、こうした方針をうるま市側に伝えることにしています。

ただ防衛省は、計画の撤回を正式に決定した場合でも、沖縄県内に訓練場を整備する必要があるとしていて、かわりの場所を検討していく見通しです。

 

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「断念を勝ち取ろう」1200人超える集会 陸自の訓練場計画 予定地の沖縄・うるま市で 決議を採択し政府に要請へ(2024年3月21日『沖縄タイムス』)

 

陸自訓練場建設計画の断念を求め、ガンバロー三唱で拳を突き上げる集会参加者=20日、うるま市石川会館(竹尾智勇撮影)

 

 沖縄県うるま市石川のゴルフ場跡地に陸上自衛隊訓練場を新設する計画を巡り、同市内外の17団体で構成する「自衛隊訓練場設置計画の断念を求める会」は20日、同市の石川会館で「住宅地への自衛隊訓練場計画の断念を求める市民集会」を開いた。1200人以上(主催者発表)が参加。同計画を直ちに断念するよう求める決議を採択した。今月中に政府へ要請する方針。(中部報道部・伊集竜太郎)

 集会の壇上に立った元自民党県議で同会の伊波常洋共同代表は「皆さんの力を結集して断念を勝ち取ろう」と訴えた。

 中村正人うるま市長は「市民の思いである建設反対の意思をしっかり(木原稔防衛相に)届け、計画の白紙撤回へ皆さんと共に力を合わせて最後まで頑張っていく」と述べた。地域住民や若者らも登壇した。

 玉城デニー知事は集会にメッセージを寄せた。政府に対して「地元が示している意思を真摯(しんし)に受け止めて計画を断念するべきだ」として「県としてもあらゆる機会を捉えて政府に用地取得を含めた計画の白紙撤回を求めていく」とした。

 計画断念を求めた決議では、集会の成功は「計画に対する県民の怒りがいかに大きなものであるかを如実に示している」とし、「住民の視点が完全に欠落したあまりにもずさんな計画と言わなければならない」と批判。防衛相が「住民生活との関係を重視する観点から土地取得後の利用の在り方について検討している」と発言していることについて触れ「裏を返せばこれまで住民生活を重視してこなかったことの表明でしかない」と指摘した。

 保革を超えて沖縄の民意は白紙撤回を求めているとして「これを尊重して寄り添うことが、国民の命と暮らしを守る政府の取るべき態度ではないか」と訴えた。決議の宛先は防衛相ら。

 19日時点で5580筆の署名が集まったことも報告された。

 集会は会場が満席となったため、入れない人たちは建物内ロビーのモニターで見守った。照屋義実副知事や、参加は自主判断としていた自民党うるま市議の姿も見られた。