日本維新の会政調会長の音喜多駿参院議員は9日、自身のX(旧ツイッター)を更新し、作家の乙武洋匡氏(48)が8日に東京都内で会見し、衆院東京15区補選(4月16日告示、28日投開票)に、無所属で出馬すると表明したことに言及した。

乙武氏は小池百合子都知事が特別顧問を務める地域政党都民ファーストの会」が国政進出へ設立した「ファーストの会」副代表に就いているが、同補選には無所属で出馬すると表明。会見の時点では、「ファーストの会」を含め、どの政党にも支援要請はしていないと強調したが、乙武氏が主張する「無所属」のあり方をめぐっては、疑問の声も出ている。

このことを念頭に、音喜多氏は「『無所属』とはなんなのか。衆議院補欠選挙の構図が固まるも一寸先は闇」と題した解説を投稿。「小池百合子知事が全面バックアップする予定候補の記者会見では、全面的に知事及びその政党のポスターが展開され、それを背にしながら『無所属です。キリッ』と断言する姿にはある種の清々しさを感じるとともに、選挙における『無所属』とは一体なんなのかということを考えさせられる一幕です」と投稿で指摘した。

「どの政党から応援・支援を受けていようとも、選挙の届け出書類で無所属と出せば選挙における扱いや報道は「無所属」となります。まあ選挙戦略においてどういう立場を選択するかは、メリット・デメリットがあるので各陣営が判断することではあります」とした上で「とはいえ特定政党の党籍を明らかに持っている人物が『無所属』を強弁するのは、さすがに『産地偽装』ではないかとの指摘はもっともです。このあたりも含めて有権者がどのような判断をされるのか」とも指摘した。

乙武氏に対しては、「ファーストの会」が、要請があれば推薦する方針。裏金問題の影響で独自候補の擁立を断念した自民党は支援の形を検討している。連立を組む公明党は8年前の女性問題を懸念して支援に慎重で、国民民主党は、自民が推薦するなら支援はしないと主張。昨年12月の出直し江東区長選では、小池氏に近い無所属の候補を都民ファーストの会とともに「相乗り」で推薦した自民、公明、国民各党は今回、乙武氏との距離感で足並みがそろっていない。

同補選には、立憲民主党の酒井菜摘氏(37)、日本維新の会の金沢結衣氏(33)、参政党の吉川里奈氏(36)、日本保守党の飯山陽氏(48)、無所属の秋元司氏(52)、参院議員で無所属の須藤元気氏(46)、つばさの党の根本良輔氏(29)が立候補を表明。共産党は8日、擁立予定だった候補者を取り下げ、酒井氏の支援に回ると発表した。