坂本龍一さん 晩年の日記公開「死刑宣告だ」「安楽死を選ぶか」 健康への後悔、生への葛藤も(2024年4月8日『スポニチアネックス』)

 音楽家坂本龍一さん(享年71)の人生最期の日々を記録したNHKNHKスペシャル Last Days 坂本龍一 最期の日々」(後9・00)が7日、放送され、晩年の闘病生活での葛藤が明らかになった。

 坂本さんは昨年3月28日に死去した。晩年は14年に中咽頭がん、20年には直腸がんを患うなど、病との壮絶な闘いを続けた。

 晩年に直筆、スマートフォンなどに残した坂本さんの日記や、自伝本のために行われたインタビュー肉声も一部公開された。20年にステージ4の直腸がんで余命半年と宣告されると、「現実なのか。現実感がない。何もせずに半年過ごすか、副作用に耐えながら5年生きるか。やり残したことがあると感じるかどうか」と、心の揺れ動きがつづられた。その後も「耐えられなければそこでやめればいいか。あるいは今、安楽死を選ぶか」と、生きることへの葛藤も記された。

 日記には、これまで健康に無頓着だったことへの反省も明かされていた。「手遅れだということ。死刑宣告だ。しかし何を見てもこれが最後だと思えて悲しい。バカなものをしたもんだ。恥ずかしさと勇気のなさが命取りになった。俺の人生、終わった」。また、インタビューでは「それまで健康とか身体とか、ほとんど考えたことがない、野獣のように生きてきたんです。万に一つも疑ってなかった。それを後悔はしましたよ、もちろん。自信過剰になってたなって。だから子供なんかに言うんだけど、何かおかしいなと思ったらすぐ診察に行かないとダメですよね」とも語っていた。