聴覚障害者にも会場でスポーツ観戦を“実況文字化”の取り組み(2024年4月6日『NHKニュース』)

聴覚障害がある人にも試合会場でのスポーツ観戦を楽しんでもらおうと、会場に流される実況などの声を文字化してスマートフォンなどに表示させる取り組みが、東京 世田谷区で行われました。

取り組みを行ったのはラグビー、リーグワンで、世田谷区を拠点とするリコーブラックラムズ東京です。

6日、区内で行われた試合には、聴覚障害のある観客が招かれ、会場で配られたメンバー表にある2次元コードスマートフォンで読み取って専用のサイトを表示させると、実況などの担当者が使うマイクを通して、会場に伝えられる声が次々と文字化されていきました。

利用した人は「ペナルティーキックとなります」といったプレーの説明や、「押せ押せラムズ!」などの応援の掛け声を読みながら観戦を楽しんでいました。

今回の取り組みは聴覚障害のあるファンからの声を受けて実施が決まり、全日本ろうあ連盟によりますと、こうした取り組みは障害者の大会以外では珍しいということです。

利用した男性は「これまでは自分のアプリでやっていましたが、周りの音でうまくいかないことも多かったので、応援のやり方がわかったり、プレーを説明する情報が増えたりして観戦がより楽しかったです」と話していました。

チームの担当者は「試合の雰囲気など会場でしか楽しめないこともあると思う。文字化の課題を見つけて改善していき、誰でも観戦を楽しめる環境をつくっていきたい」と話していました。