大谷翔平の打撃不振にNHK朝ドラ主人公の口癖「はて?」は出ない 待望の一発が出たことでこれからの反撃を期待する(2024年4月6日『サンケイスポーツ』-「甘口辛口」)

移籍後初本塁打を放ったドジャース大谷翔平

■4月6日 「はて?」。NHK朝ドラ「虎に翼」の主人公ならずとも、世の中にはそう言って首をかしげたくなることが多い。

 はて? 静岡県川勝平太知事が辞職する意向を表明したのは、職業差別発言の責任を負ってのことではなかったか。表明の翌日に開いた記者会見で、川勝氏は「JR東海が開業時期など事業計画を修正し、リニア(中央新幹線)問題が大きな節目を迎えたこと」を辞任の最大の要因として挙げた。環境への影響を理由に静岡工区の着工を認めない、邪魔ともいえる行動を成果と自負したことに強い違和感を覚えた。

 はて? 派閥パーティー収入不記載事件を受けて自民党は4日に計39人の処分を決めたが、その中に岸田文雄首相がいない。これも理解に苦しむ。岸田派の元会計責任者が立件されているのだから、派閥の長である首相も処分の対象になってしかるべきだ。会社で不祥事が起きれば社長が責任を負うもの。離党勧告となった塩谷立文科相が弁明書で「まるでスケープゴートのよう」と批判したのはむべなるかな。

 開幕8試合で本塁打が出なかった米大リーグ、ドジャース大谷翔平について「はて?」は出ない。打撃低迷は開幕直後に発覚した元通訳の違法賭博問題が尾を引いていると誰もが思っているからだ。その大谷が日本時間4日に9試合目、41打席目にしてようやく移籍後初本塁打を放った。自己ワースト記録に終止符を打った試合後に「メンタルを言い訳にしたくない」と話したが、影響はあったはずだ。

 待望の一発が出たことで鬱屈した思いが多少は晴れたことだろう。これで気持ちに少しでも余裕ができたのなら、これからの反撃に期待しようではないか。(鈴木学)