「いけにえ」指摘の塩谷立氏、離党勧告処分受け自民党に再審査請求検討表明「事実誤認あり心外」(2024年4月5日『日刊スポーツ』)

自民党の派閥政治資金パーティー裏金事件で、4日に党紀委員会から離党勧告処分を受けた安倍派座長の塩谷立文科相は5日、国会内で会見し、処分を不服として「再審査」請求を検討する考えを明かした。

「政治への信頼を損ねたことについてはあらためて深くおわびする」とした上で「処分についてしっかり受け止めて、政治的、道義的責任は重いと感じているが、間違った認識のもとで処分された。誠に残念だ」と主張。党紀委側が処分を判断する際の事実認識に「誤認」があるとして「事実誤認の中で処分が下されたことは、はなはだ心外だ」と不快感を示した。

「重大な重たい処分であり、理由がきちんと国民にも党内でも理解されるように明確にしてほしい。事実誤認があって(離党勧告の)判断というのは、問題があるのではないか」とも主張した。

事実誤認としたことについて、処分理由には「不適切な会計処理について安倍派常任幹事会の座長という極めて枢要な立場にありながら、適切な対応を取らず大きな政治不信を招いた政治責任は極めて重い」とされたが、塩谷氏は「座長に就任したのは昨年8月。当時はそうした立場になかった」と主張。「会計処理については、事務総長やほかの役職幹部もほとんどタッチしていない。これを理由としていることは事実誤認ではないか」と訴えた。

請求を出すかは今週末に地元の支援者らと相談して判断するとし、早ければ週明けに、遅くても13日までに、処分への対応や再審査請求の是非を判断する考えを示した。

自民党の規律規約では、党紀委の処分に不服があった場合、党総裁に再審査を請求ができる。その後、総務会で「相当の理由」があると認めれば、党紀委が再審査を行う。

塩谷氏は処分に先立ち、党紀委に提出した弁明書に「独裁的・専制的な党運営に断固抗議」「スケープゴートのように不当に重すぎる処分を受けるのは納得がいかない」などと記載。自民党内では、塩谷氏は「お飾り座長」で実権もなかったとの声があり、野党からも「完全ないけにえ」(立憲民主党小沢一郎衆院議員)と指摘する声がある。

 

離党勧告の塩谷立氏に「完全な生けにえ。これを機に全て暴露されては?」小沢一郎氏が呼びかけ(2024年4月5日『)日刊スポーツ』

立憲民主党小沢一郎衆院議員が5日までに自身のX(旧ツイッター)を更新。派閥政治資金パーティー裏金事件をめぐる自民党党紀委員会による処分で「離党勧告」を受けた、安倍派の衆参両院トップの立場にいた塩谷立座長(74)に対し”メッセージ”を送った。

自民党は4日の党紀委員会で、同事件に関係した議員ら39人の処分を決定し、塩谷氏と世耕弘成参院幹事長(61)に離党勧告を突きつけた。塩谷氏は処分に先立ち、党紀委に提出した弁明書に「独裁的・専制的な党運営に断固抗議」「スケープゴートのように不当に重すぎる処分を受けるのは納得がいかない」などと記述。4日、報道陣に対し岸田首相の処分がないことに「同じように処分を受けることが公平な考え方だ」などと述べ、怒りをにじませた。

小沢氏は、塩谷氏の弁明書内容などを報じた一部メディアの記事を添付。「完全な生けにえ。安倍派の中でも実権は無かったと言われる人物。だからこそ狙われた。総理に近い萩生田氏や松野氏は軽い処分。全ては政権維持のため。後は闇に葬るつもり」と私見を記した。そして塩谷氏に対し「これを機に全て暴露されてはどうか?」と呼びかけた。

この投稿を受け「たたかえ!塩谷!」「同感です!」「こんなんじゃ、、、たりないよ」「本当にその通りです」「生贄だよ!」「言っちゃえ言っちゃえ」「全部暴露してください」「何もかもぶちまければ良い」などとさまざまな声が寄せられている。