出勤の強要が「あった」「感じた」の回答が計29人(38.7%)、「なかった」が35人(46.7%)、「何とも言えない」が11人(14.7%)。4市町の中で最も早い1月11日から一部の小中学校を再開した珠洲市では、回答した教員の56%が出勤を強要されたと感じていた。
自由記述では、「1カ月間出てこられなかった先生に対し、(管理職が)『出てくるのが遅い』と発言。一時期、職員室に全職員の出勤率が書かれていた」「電気もなく電波も届かない学校へ集めるのはどうかと思った」(いずれも珠洲市の教員)などの回答があった。本紙の取材では、出勤を求められたことに重圧を感じたが、無理に学校に行って精神的な不調をきたした教員もいた。
◆「教員への配慮やケア、検証すべき」
珠洲市教育委員会の担当者は、早期再開を目指したことが教職員の負担となり、出勤を強要されたと感じた回答の多さにつながった可能性を認めた。再開された学校では久しぶりに会えたことを喜ぶ子どもたちの姿もあり、「早期再開は良かったと思う」と話した。
早稲田大の本田恵子教授(学校心理学)は学校の早期再開に「危機管理では、なるべく早く日常に近い状態に戻すことが基本。教委などには、子どもの学習保障をしなくてはという責任感があったと思う」と理解を示すも、「現場の教職員に対する配慮やケアが十分だったのか、検証するべきではないか」と指摘した。
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