浅草神社で「子供歌舞伎」を披露 石川県小松市の子どもたちが熱演(2024年3月30日『東京新聞』)

 
 北陸新幹線の延伸を機に石川県小松市を「歌舞伎のまち」として発信しようと、市内の伝統芸能「子供歌舞伎」が30日、東京・浅草神社で披露され、国内外からの観光客らを沸かせた。
浅草神社の神楽殿で「旅衣小松緑弥栄 義太夫 勧進帳」を披露する石川県小松市の子どもたち

浅草神社の神楽殿で「旅衣小松緑弥栄 義太夫 勧進帳」を披露する石川県小松市の子どもたち

 市内ではこの日の演目「勧進帳」の舞台「安宅(あたか)の関」が名所で、子供歌舞伎は約260年続く。浅草神社での上演は、新幹線の小松駅開業に合わせ、県観光連盟が主催した。
 役者の小学生らが浅草の街を練り歩いた後、境内の舞台に上がった。キレのある動きや堂々とした立ち回りが、観客の目をくぎ付けにした。演目が終わると大きな拍手に包まれ、観客から「こんなに長い時間演じられるのはすごい」といった声が上がった。
 
上演後、記念撮影する子ども歌舞伎の出演者と関係者ら

上演後、記念撮影する子ども歌舞伎の出演者と関係者ら

 役者の中心となったのは12歳の3人。荒垣瑠那(るな)さんは「大勢の人の前で楽しめた」と語り、岡田陽向(ひなた)さんは「最初は緊張したけど、思い切りできた」と話した。村井美智乃さんは「自信につながる舞台になった」と振り返った。
 能登半島地震から4月1日で3カ月となるのを受け、小松市の宮橋勝栄市長らが上演前、観客らに支援への感謝を伝えた。子供歌舞伎は5月に市内での「お旅まつり」「日本こども歌舞伎まつりin小松」でも披露される。(鈴鹿雄大