ろう者の劇団が手話で狂言 “手話やろう文化への理解を” 東京(2024年3月20日『NHKニュース』)

手話やろう文化への理解を深め、多様性が尊重される社会のあり方を考えようという催しが東京で行われ、ろう者などでつくる劇団が伝統芸能狂言を手話を使って演じました。

手話による狂言は、演者がせりふを手話で表現しながら舞台上を動き、それにあわせて狂言師が声を発していくもので、手話がわかる人もわからない人もともに楽しめる演劇として、日本ろう者劇団が40年以上にわたって国内外で上演しています。

20日は、東京・港区のホールで、新築したお堂に安置する地蔵を作る仏師を探す男とそれをだまそうとする人を描いた「六地蔵」という演目が上演され、俳優がアドリブを入れると観客席から大きな笑い声が上がっていました。

小学校で手話を学んでいるという6歳の女の子は、「ろう者でも狂言とかいろいろなことができるんだなと感じました。学校で手話をもっと勉強したいです」と話していました。

また、50代の父親は、「聞こえる人と聞こえない人が一緒に楽しめる点がとても素晴らしいと思います。それをもっと広く伝えて、みんなが楽しめる環境になるといいと思います」と話していました。

主演をつとめた劇団代表の江副悟史さんは、「去年亡くなった前代表の米内山明宏さんが残してくれた手話狂言を、後進の私も含めみんなで受け継いでいけたらと思っています。狂言の面白さと、手話が入ることでより面白くなることを感じてもらえたらうれしいです」と手話で話していました。