世耕氏を除く3人の名前や日時、会場が記載された「日程表」を記者団に配り、自身の潔白を主張した。配布された日程表は「※打ち合わせ(■連関係)」と会合内容が一部黒塗りだった。世耕氏は伏せた部分について観光関係の団体と説明した。(山口哲人)
◆世耕氏の発言は…「もう一度日程表を徹底的に精査した」
世耕氏との主なやりとりは以下の通り。
世耕氏 まず、先日の政治倫理審査会で、3月に議員会館事務所で安倍首相を交えたパーティー券に関する打ち合わせがあったかという趣旨の質問をいただきました。3月に安倍さんと会館でそういう話をした記憶は全くなかったので、「そういう記憶はありません」と申し上げました。
また、安倍事務所や主要な事務所で行われた打ち合わせの日程表は全て捜査当局にも提出しております。その中にも3月の会合は入っておりませんでしたので、「日程表にもそういったものは載ってなかった」と答弁しました。
その上で一昨日、細田議長も入った形で安倍会長と西村事務総長と私で打ち合わせが行われたという趣旨の一部報道があり、もう一度日程表を徹底的に精査したところ、3月2日15時から約20分間、議長公邸で細田議長、安倍会長、西村事務総長との打ち合わせが行われた記録が出てまいりました。
その記録には、議題も明確に書いてあり、相手もあるので名前は申し上げませんが、とある民間の業界団体関連という表記になっておりました。それを頼りに私の記憶を呼び起こしたところ、22年3月は参院選の4カ月前で、候補者調整が最終局面でありました。
そういう中で、清和会の立候補希望者がある地方から出たいという希望を持っておられましたが、もうその県では既に県連で候補者をほぼ決めておりましたので、そのまま選挙に突入すると共倒れになってしまうかもしれないということで、その方を比例区に回っていただこうと。
そのためには、やはりそれなりの団体を付けなければいけませんので、名前は申し上げませんが観光関連の業界団体に付いてもらって、本人納得の上、比例で選挙を戦っていただくことになったわけであります。
細田議長は観光産業振興議員連盟の会長を務められるなど、観光関連の業界とは非常に付き合いが古く、深い方でありましたので、議長公邸を訪ね、その団体を候補者に付けてもらいたいとお願いに行ったという打ち合わせであります。
派閥のパーティーについては全く議論していませんし、議長と議論するような話ではないと思います。
日程表、もしよければこれ、どうぞ皆さん(自ら印刷してきたA4の紙を記者団に配布)。ちょっとマスキングしてありますけれど。黒塗りで「連関係」となっているのは、業界団体の名前で略称で書いてあります。
焦点になっている会合の「日程表」だとして世耕弘成氏が記者団に配った資料の一部。世耕氏を除く3人の名前や日時、会場が記載されているものの、日程の一部が黒塗りにされている
記者 この紙はスケジュール帳か。
世耕氏 うち(の事務所)はスケジュールをPDFでコンピューターの中になるべく残すようにしてます。それをもう一度、1枚1枚点検して出てきたということです。
記者 還流については協議していないのか。
世耕氏 全くありません。
記者 3月の会合について政倫審で「記憶にもスケジュール帳にもない」と答弁したが。
世耕氏 3月に議員会館事務所で安倍さんを含めてパーティー券の打ち合わせをしたかどうかということは、本当に記憶になかったし、記録にもなかったし、事実としてなかったということだと思います。日程表が出てきたことで明らかになったと思います。
記者 4月の会合で安倍会長から還流中止の話があったが、それ以前の会合で相談はあったか。
世耕氏 全くありません。
記者 還流中止の話は4月会合が初めてか。
世耕氏 初めてです。