参院予算委員会は28日、令和6年度予算案に関する締めくくり質疑を実施した。野党は自民党派閥の政治資金パーティー収入不記載事件などを巡り岸田文雄首相を追及した。主なやり取りは以下の通り。
派閥解消
辻元清美氏(立憲民主)「二階派(志帥会)、安倍派(清和政策研究会)、岸田派(宏池会)の解散届は出ているか」
首相「残った手続きを済ませないと解散の届け出ができない」
辻元氏「偽装解散だ。残った財産はどうするのか。報告するか」
首相「適切に政治団体として判断する。処理した上で報告する」
辻元氏「監督責任は誰にあるのか」
首相「党総裁として信頼回復に取り組む」
過激ダンスショー
松野明美氏(日本維新の会)「自民党和歌山県連主催の過激ダンスショーについて。首相は党青年局長を務めたが、このようなことはあったか」
首相「懇親会の趣旨にそぐわず、極めて不適切だ。私が青年局長のころを含め、このようなことが当たり前だと考えられていたのではない」
少子化対策
河野義博氏(公明)「異次元にもほどがある支援制度の充実だ」
首相「少子高齢化と人口減少はわが国の社会や経済を維持できるかどうかにかかわる重要な課題だ。ラストチャンス、瀬戸際だという危機感を持っている。3兆6千億円規模の子供子育て支援を用意し、抜本的に支援を強化した」
井上哲士氏(共産)「財源となる子育て支援金について、首相の『実質的に負担増にならない』という説明に8割が『納得できない』としている」
首相「財源を借金(国債)や増税ではなく、まずは歳出改革に求める。社会保障負担の軽減の範囲内で支援金を用意し、社会保障負担率は上がらない」
予備費
伊藤孝恵氏(国民民主)「自民党の裏金が個人のへそくりなら、予備費は政府のへそくりだ。共通しているのはブラックボックスという点だ。流用や付け替えが行われていた。会計検査院の調査を義務付けるなど情報提供の強化に取り組むべきだ」
首相「翌年度繰越や流用を行った場合の対応を中心に、説明責任を果たす観点から、どのような対応が可能か検討を深める」