「厚労省の指針ではパワハラ、申し開きできない」阪急阪神HDと遺族側、14項目で合意(2024年3月28日『産経新聞』)

宝塚劇団員急死

 

記者会見の冒頭、謝罪し頭を下げる(左から)宝塚歌劇団の村上浩爾理事長、阪急阪神ホールディングスの嶋田泰夫社長、同社の大塚順一執行役員=28日午後、大阪府豊中市(恵守乾撮影)

 

宝塚歌劇団兵庫県宝塚市)の宙(そら)組劇団員の女性(25)が昨年9月に急死した問題で、阪急阪神ホールディングス(HD)は28日、大阪府内で開いた記者会見で、長時間の活動による過重な負担に加え、14項目のパワハラ行為があったと認めることで遺族側と合意したことを明らかにした。

阪急阪神HDの大塚順一執行役員は、上級生がヘアアイロンで女性の髪を巻こうとした際にやけどを負わせ、謝罪を行わなかったなどの行為について「悪意をもってなされたとまでは言えないと思っているが、厚生労働省の職場の指針ではパワハラで、申し開きができない」と話し、「誠に申し訳ない」と謝罪した。

昨年9月、兵庫県宝塚市で女性が死亡。遺族側は歌劇団側に、謝罪と補償を求めていた。歌劇団側は昨年11月に外部調査チームによる調査報告書を公表し、長時間の活動などによる強い心理的負荷を認めた一方、いじめやハラスメントは「確認できなかった」としていた。

これに対し、遺族側は、上級生らによるパワハラ長時間労働が原因で自殺に至ったと主張。12月には15件のパワハラ行為があったとする証拠資料と意見書を歌劇団側に提出し、交渉が続いていた。

 

宝塚歌劇団員の急死、遺族側との交渉大筋合意