松本人志さん 損害賠償など求める裁判 きょう開始 東京地裁(2024年3月28日『NHKニュース』)

人気お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志さんが、性的な被害を受けたとする女性の証言を掲載した週刊文春の発行元などに損害賠償などを求めている裁判が28日、東京地方裁判所で始まります。出版社側は全面的に争う見通しです。

去年12月発売の週刊文春は、9年前に松本人志さんから都内のホテルで性的な被害を受けたとする女性2人の証言を報じました。

これに対し松本さんが「性的行為を強要したという客観的証拠は存在しないのに、記事で名誉を傷つけられた」として、発行元の文藝春秋と編集長に慰謝料などとして5億5000万円の損害賠償と記事の訂正を求める裁判を起こし、28日から東京地方裁判所で審理が始まります。

文藝春秋側は裁判で全面的に争い、記事の真実性などを主張する見通しです。

松本さんは裁判に注力したいとしてことし1月から芸能活動を休止していて、弁護士によりますと、28日は法廷に来る予定はないということです。

松本人志さん「世間に真実が伝わり、一日も早くお笑いがしたい」 

裁判が始まるのを前に、松本人志さんは「人を笑わせることを志してきました。たくさんの人が自分の事で笑えなくなり、何ひとつ罪の無い後輩たちが巻き込まれ、自分の主張はかき消され受け入れられない不条理に、ただただ困惑し、悔しく悲しいです。世間に真実が伝わり、一日も早く、お笑いがしたいです。」と弁護士を通じてコメントを発表しました。

一方、週刊文春の編集部は「記事には十分な自信を持っています。今後の報道と法廷で事実を明らかにしていきます」とコメントしています。

これまでの経緯

発端は、去年12月に発売された週刊文春の記事でした。

9年前に松本さんから性的被害を受けたと訴える2人の女性の証言を報じました。

記事によりますと、2人はいずれもお笑いコンビ「スピードワゴン」の小沢一敬さんに誘われて都内のホテルで開かれた飲み会に参加し、途中からゲームなどとして松本さんと寝室に2人きりにさせられ、同意なしで性的行為をされたとしています。

この報道を受けて、松本さんはことし1月8日、裁判に注力したいとして所属事務所を通じて芸能活動を休止すると発表し、自身のSNSで「事実無根なので闘う」と投稿。その2週間後に裁判を起こしました。

小沢さんも1月に、芸能活動を当面自粛すると発表しました。