この事故で、医師や弁護士でつくる市の検証委員会が原因や再発防止策の報告書をまとめ、25日に市に提出しました。
報告書によりますと、保育士が2かけらのりんごをスプーンで提供したあと、男の子が泣いて息を吸った瞬間に、りんごが気道を閉塞して窒息につながった可能性が高いとしています。
この保育園では、りんごを離乳食とする場合、加熱して提供するとした国のガイドラインが浸透しておらず、令和4年度にりんごを提供した42回のうち、加熱したのは2回だけだったということです。
また、事故前日に実施した保育士による家庭訪問で、男の子の保護者が離乳食について「家ではドロドロを食べている」と伝えたとしていますが、こうした情報は調理現場には伝えられていなかったということです。
さらに、園長や主任保育士も離乳食の調理方法を把握しておらず、園長は離乳食に異常がないかを確認する「検食」も実施していなかったということで、リスクへの認識不足があったとしています。
報告書では、事故直後の対応の問題点として、保育士が119番通報をした際、消防から指示された心臓マッサージが現場の混乱や保育士の動揺で実施されておらず、結果として、窒息事故の対応が取れていなかったとしています。
また、再発防止策として
▽保護者と離乳食に関する情報連携を確実に行うことや
▽救急救命講習を定期的に行い、さまざまな事故を想定したシミュレーションの訓練を実施することなどを提言しています。