両陛下 きょう能登半島地震で被害の輪島市と珠洲市訪問へ(2024年3月22日『NHKニュース』)

 皇室

 

天皇皇后両陛下は、22日、能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県の輪島市珠洲市を訪れ、被災した人たちを見舞われます。

両陛下は、22日午前、特別機で羽田空港を出発して石川県の能登空港に到着し、馳知事から被災状況の説明を受けられます。

そして午後、自衛隊のヘリコプターで輪島市の被災が大きかった地域に入り、災害関連死の疑いを含め102人が亡くなったまちの状況を視察したり、避難生活を続けている人たちを見舞ったりするほか、災害対応に当たった関係者をねぎらわれます。

このあと両陛下は、ヘリコプターで災害関連死の疑いを含め103人が亡くなり津波で広い範囲が浸水した珠洲市に入り、避難所で被災した人たちを見舞うなどしたあと、夜に帰京されます。

両陛下が発生から間もない自然災害の被災地を訪問されるのは、天皇陛下の即位後2回目です。

現地の状況見極め訪問を調整

側近によりますと、天皇皇后両陛下は、元日に発生した地震で多くの犠牲者が出たことや被災地の状況に深く心を痛める一方、現地の災害対応などに支障が出てはならないと考えられていて、宮内庁は両陛下の訪問に向け現地の状況を見極めながら調整を進めてきました。

宮内庁によりますと、天皇陛下は高校時代からこれまでに13回石川県を訪問していて、今回訪問する輪島市珠洲市もそれぞれ複数回訪ねられています。

先月には、誕生日を前にした記者会見で「今回の地震に見舞われた能登地域は、雅子も私も、それぞれ学生時代に訪れて、思い出深く思ってきた地域であるとともに、昨年10月に、二人でそろって金沢市を訪問し、県民の皆さんに温かく迎えていただいたことが特に心に残っており、その石川県において、多くの方が犠牲となられ、今なお安否が不明の方がいらっしゃることや、避難を余儀なくされている方が多いことに深く心を痛めております」と述べられていました。

また、両陛下は、お住まいに政府の担当者や日本赤十字社の関係者を招いて、能登半島の被災地の状況や現地での支援活動などについて説明を受けられてきました。

被災地に心寄せ続ける両陛下

天皇皇后両陛下は、皇太子夫妻だった時から、災害で被害を受けた地域を訪ね被災した人たちに心を寄せ続けられてきました。

平成7年に阪神・淡路大震災が発生した際には、外国訪問の日程を繰り上げて帰国し、2か月連続で兵庫県を訪れて被災した人たちを見舞われました。

平成23年東日本大震災では、発生の翌月に都内の避難所を訪問し、その後、原発事故のため避難してきた福島県の人たちが身を寄せている埼玉県の避難所や、被害が大きかった宮城、福島、岩手の東北3県を相次いで訪れ、被災した人たちを見舞われました。

平成30年には、前の年に九州北部豪雨で大きな被害を受けた福岡県朝倉市を訪ね、仮設住宅で避難生活を続けている被災者を見舞われました。

また、即位後の令和元年には、台風19号による大雨などで大きな被害を受けた宮城県福島県を訪れ、被災した人たちを見舞われました。

令和3年には、新型コロナウイルスの影響が続く中、前の年に豪雨で大きな被害を受けた熊本県をオンラインを活用して見舞われました。

両陛下が、オンラインで被災地を見舞ったのはこの時が初めてで、被害が大きかった地域の状況をビデオなどで確認し、被災した人たちなどにことばをかけられました。

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