カナダの女性歌手、マディソン・テブリンさんは…

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毎日新聞2024/3/22 東京朝刊621文字
「世界ダウン症の日」に向けたキックオフイベントでフリーアナウンサーの笠井信輔さん(中央列奥から2人目)らと司会を務めるあべけん太さん(中央右)=東京都新宿区で2024年2月12日、竹内紀臣撮影
「世界ダウン症の日」に向けたキックオフイベントでフリーアナウンサー笠井信輔さん(中央列奥から2人目)らと司会を務めるあべけん太さん(中央右)=東京都新宿区で2024年2月12日、竹内紀臣撮影

2019年の「世界ダウン症の日」で作製された日本版用PRポスター。モデルは三重県名張市の澤田仁美さん=名張市提供
2019年の「世界ダウン症の日」で作製された日本版用PRポスター。モデルは三重県名張市の澤田仁美さん=名張市提供

 カナダの女性歌手、マディソン・テブリンさんは13歳だった9年前にユーチューブに投稿した歌唱動画で人生が変わった。スポーツ国際大会のテーマソングを吹き込み、テレビの司会者を務めた。昨年は米コメディー映画に重要な役柄で出演した

▲韓国の女性アーティスト、チョン・ウネさんは人物の特徴を誇張した独特の似顔絵で人気だ。エッセーと合わせた本も出版した。一方で豪華キャストが並んだ韓国のテレビドラマにも出演、話題を呼んだ

▲2人の共通点はダウン症。通常は2本の21番目の染色体が3本ある。3月21日はその数字にちなんだ「世界ダウン症の日」。ニューヨークでは22日まで国際ダウン症連合の会合が開かれている

▲スピーチに招かれたのが日本の俳優、吉田葵(あおい)さん。NHKのドラマでダウン症の少年役を演じ、役所広司さん主演の映画「パーフェクトデイズ」にも出演した。ベンダース監督から「ビューティフル」と演技を評価されたという

▲「思いこみを想(おも)いなおそう」が今年のテーマだ。テブリンさんは動画でダウン症の人に1人暮らしはできないとかシェークスピアは教えられないといった固定観念を皮肉り、「できると思えば現実になる」と力強い言葉を発信した

ダウン症の人は世界で600万人ともいわれる。映画やテレビドラマに登場するのは自然だろう。さまざまな分野で活躍の機会を増やすには、親や教師、社会が可能性を否定するような思い込み、接し方を見直すべきだという声に耳を傾けたい。