選択的夫婦別姓「議論の活性化を」 香川の全議会で意見書可決、全国初(2024年3月19日『産経新聞』)

 
 

導入を巡り議論になっている選択的夫婦別姓に関し、香川県議会と全17市町の議会で19日までに、国会での議論の活性化を求める意見書が可決された。全国で陳情活動を行う一般社団法人「あすには」によると、都道府県内の全自治体で意見書が可決されるのは香川が初めて。

県内では令和2年12月に三豊市議会で初めて可決された。この日、綾川町など三つの町議会が意見書を可決し、全ての自治体がそろった。

制度導入に向け活動する団体「選択的夫婦別姓を願う香川県民の会」の山下紀子さん(51)は「県選出の国会議員は、先頭に立って国に働きかけてほしい」と要望した。

 

選択的夫婦別姓制度の議論の活性化を求める意見書

 最高裁判所は2021年6月に、夫婦同姓制度を「合憲」とする2015年以来となる二度目の憲法判断を示した。
 2015年12月の判決では、「夫婦同姓制度は、社会に定着しており家族の姓を一つにまとめることは合理性がある」との判断をしつつも、「制度のあり方は国会で論じられ、判断されるべき」との結論を出した。
 二度目となる2021年6月の判決においても、夫婦同姓制度は「合憲」としたが、裁判官の補足意見のなかで、「選択的夫婦別姓制度の採否など夫婦の姓に関する法制度については、子の姓や戸籍の制度を含め、国民的議論、すなわち民主主義的プロセスに委ねることで、合理的な仕組みのあり方を幅広く検討して決めるようにすることこそ、ふさわしい解決というべきだ。」とし、概ね前回の判決を踏襲したものとなっている。
 家族のあり方も多様化し、女性活躍を推進する時代において、社会の考え方や価値観も確実に変化してきている。これらを反映した世論の動向に鑑み、最高裁判所の趣旨を踏まえつつ、国会及び政府の責務として制度のあり方を議論していかなくてはならない。
 よって、本議会は選択的夫婦別姓制度の議論が社会に開かれた形で、早期に行われるよう強く求める。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和3年10月8日

 香川県議会