あらかじめ戦争反対派を排除した選挙である。これで侵略を正当化することはできない。
ウクライナ侵攻後初のロシア大統領選挙で現職のプーチン氏が通算5回目の当選を果たした。
投票率は74%で前回2018年を上回った。プーチン氏の得票率は8割強で過去最高だ。数字の上では圧勝である。
だが、結果は初めから見えていた。侵攻に反対した人たちが、書類の不備などを理由に立候補を認められなかったためだ。
反対派を封じた茶番劇
反体制派のナワリヌイ氏は政権への抗議の意思表示として、プーチン氏以外の候補に投票するよう呼び掛けていたが先月、収容先の刑務所で急死した。
プーチン氏には、国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出ている。ロシア軍が戦地から子どもを連れ去ったことが戦争犯罪に当たると判断された。
戦争が長期化し、ロシアは国際的な孤立を深めている。選挙で政権への不支持を表明しようにも、国民には選択肢がなかった。
全欧安保協力機構(OSCE)の選挙監視団も認められず、公正さに疑問が残った。一部の投票所で放火などがあったのは、不満の表れだった可能性がある。
ロシアが一方的に併合を宣言したウクライナ東・南部の4州でも投票が強行された。既成事実化を狙った行為であり看過できない。
日本や米欧など57カ国・地域が占領地での選挙について、「非合法」で「国際法上、効力を持たない」と非難したのは当然だ。
懸念されるのはウクライナ情勢への影響だ。プーチン氏は勝利を受け、「全てを計画通りに実行する」と述べ、「特別軍事作戦」を継続する姿勢を強調した。
侵攻から2年が過ぎ、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)によると、ウクライナ市民の死者は1万人を超えている。
ロシアは国連安全保障理事会の常任理事国であり、国際社会の安定や世界の平和に特別な責任を負っている。プーチン氏は直ちに軍を撤退させるべきだ。
露大統領選挙は1991年以降、比較的公正に実施され、欧米諸国も民主化の進展に期待した。
「自由で繁栄し、豊かで強く、文明的な国になる」。プーチン氏は00年に初当選した際、就任式でこう述べた。
その後、政権は反体制派の弾圧や人権団体・メディアの活動制限を強化し、隣国に軍事侵攻した。「強いロシア」の復活だけが強調され、「自由で」「文明的」な政策が置き去りにされている。
「選挙独裁」の拡大懸念
大統領の任期は当初4年で、連続2期に制限されていたが、08年の憲法改正で6年に延長された。さらに20年の改正で24年から2期12年、権力を握り続けられるようになった。
次期選挙で再選されれば、プーチン氏は36年まで大統領職にとどまることになる。
在位期間は通算32年となり、旧ソ連の最高指導者スターリンの29年を上回る。独裁者を生まぬための憲法が、権威主義の強化に利用されている。
同様の動きは他国にも広がっている。スウェーデンの独立調査機関が先日発表した報告では、選挙を実施しながら政治指導者が独裁色を強める「選挙独裁」の国は73年は36だったが、23年には55に増加した。
欧州の一部にも権威主義が台頭している。米国では前回大統領選挙で敗れたトランプ前大統領が、最後まで結果を受け入れず、社会が混乱した。
古代ギリシャの哲学者プラトンは主著「国家」の中で、「独裁制が成立するのは民主制以外からではない」と警鐘を鳴らしている。
ロシアの現状を見ると、約2400年前の先哲の言葉が、今も通用すると痛感させられる。
世界で民主主義が後退する中、日本や米欧などを中心に国際社会は、その潮流に歯止めをかけなければならない。
ウオッカを買う長い行列に腹を立てた男が…(2024年3月19日『毎日新聞』-「余録」)
ウオッカを買う長い行列に腹を立てた男が「クレムリンで書記長の首を絞めてくる」と列を離れた。しばらくして戻った男は「あっちの列の方がずっと長い」。旧ソ連時代のアネクドート(小話)である
▲行列が日常茶飯事だった社会主義体制崩壊から30年以上たち、再び行列に焦点が当たった。獄中で急死した反体制活動家、ナワリヌイ氏の妻らがロシア大統領選で呼びかけた「反プーチンの正午」の抗議活動だ
▲投票用紙破棄などプーチン氏への投票以外の行動を求め、指定された17日正午、投票所や在外公館に有権者が長い列を作った。通算5選を決めたプーチン大統領への潜在的批判票だ
▲「2000―2024/我々はそれを繰り返すことができる」。学生活動家らがプーチン氏の顔を描いたポスターを張って摘発されたのは5年前。オーウェルの近未来SF「1984年」に登場する独裁者「ビッグブラザー」を思わせるポスターが皮肉った野望が現実化した
▲プーチン氏はウクライナをソ連の独裁者スターリンが作り上げた「人工国家」と呼び、侵攻を「特別軍事作戦」と言い換えた。戦争で国民に憎しみを植え付け、歴史を自在に改変する「1984年」の世界と重なる
▲6年の任期を全うすれば、首相時代を含めて実質的な最高権力者として君臨した期間がスターリンを超える30年になるという。過去最高の8割強の得票率も政敵を排除した上での結果だ。ソ連時代と五十歩百歩の権威主義国家だからこそ可能な長期政権である。
プーチン氏5選 「圧勝」を作り出した強権体制(2024年3月19日『読売新聞』-「社説」)
立候補や投票の自由が保証されてこそ、選挙は民主主義の制度でありうる。ロシアのプーチン大統領の「圧勝」は、長期にわたる強権体制の産物でしかない。
現職のプーチン氏が大統領選で通算5度目の当選を果たした。得票率は80%を大きく超え、投票率も70%を上回った。
プーチン氏は「この選挙は国民の信頼の結果だ」と勝利宣言したが、これらの数字が有権者の胸の内を正しく映し出しているとみる人はどれだけいるだろうか。
プーチン氏のほかに立候補した3人は、知名度も経験も不足していた。プーチン氏との政策論争はなく、誰も政権批判を展開しなかった。選挙の体裁を整える役回りを担っただけだろう。
実際には、政権に異を唱える人物は排除されていた。ウクライナ侵略に反対する元下院議員は、立候補手続きに不備があるとして、出馬を認められなかった。反政権運動の指導者ナワリヌイ氏は2月に不審な獄中死を遂げた。
プーチン氏が本当に「国民の信頼」を得ているという自信があるのなら、政敵を次々と追いやる必要はないはずだ。内心では、選挙を通じて国民の不満が表面化し、強権体制に綻びが生じる事態を恐れていたのではないか。
そもそも、プーチン氏の5選は、自らがお膳立てしたものだ。2020年に改正されたロシア憲法は大統領の3選を禁じる一方、現職大統領の任期については、この上限規定の計算から除外した。
これにより、プーチン氏は今年から新たに2期12年続投することが可能になった。議会や司法も、政権の影響下にあり、チェック機能は期待できない。
ソ連が崩壊して、ロシアは民主主義制度を導入したが、プーチン政権下で三権分立も、選挙も、形骸化が進んできた。政権に反対すれば迫害を受け、不利益を被る体制は、ソ連の独裁指導者スターリンの恐怖政治を想起させる。
プーチン氏は、「欧米の圧力に対抗する強いロシア」を強調し、国民の愛国心に訴えかけることで一定の求心力を維持してきた。
ウクライナ侵略はその象徴となっている。今回の選挙で、ロシアが一方的に併合を宣言したウクライナ東・南部4州の支配地域とクリミアの住民に投票を強制した。明らかな国際法違反である。
プーチン氏のロシアは世界秩序と民主主義に対する脅威にほかならない。日米欧は連携を深め、抑止力強化に努めねばならない。
プーチン氏「圧勝」は侵略を正当化しない(2024年3月19日『日本経済新聞』-「社説」)
ロシア大統領選でプーチン氏が通算で5選を果たした。過去の選挙も自由で公正とはいえなかったが、今回は国際法にも違反した。結果をそのまま受け入れるわけにはいかない。
プーチン氏が5期目になすべきことがあるとすればウクライナ侵攻という蛮行に終止符を打ち、罪を償うことだ。とはいえ、全体主義的な独裁体制を固め、これまで以上に強硬に振る舞うのだろう。
ウクライナについてもゼレンスキー政権を倒し、影響下に置くまで攻撃を続けるつもりだ。
勝利宣言したプーチン氏は「どんなにわれわれを脅しても、歴史上誰も成功しなかった。今後も失敗するだろう」と述べ、西側との対決姿勢をあらわにした。
核兵器による脅しも辞さないロシアが世界の脅威であり続けるのは間違いない。法の支配や人権を重視する国際秩序に揺さぶりをかけ、中国など権威主義的な国と連携し、民主主義陣営の分断を仕掛けてくることが懸念される。
西側諸国は団結し、それらに備えねばならない。日本にとって北方領土返還の見通しが立たないのは遺憾だが、いまは長期的な対ロシア戦略を再構築するときだ。
プーチン氏は首相時代を含め通算30年の長期政権を手にした。ソ連時代の独裁者スターリンと並ぶことになる。6年後に出馬し、2036年まで大統領にとどまることに憲法改正で道を開いた。現在71歳であることを考えれば事実上の終身大統領が視野に入る。
投票率、得票率ともに過去最高だったのは政権側の演出の成果だ。反対派候補をことごとく排除し、メディアや国営企業など政権の息がかかった組織を総動員してプーチン氏への投票を後押しした。独立した監視団もいなかった。
そのようなつくられた「圧勝」は長期独裁と侵略を正当化するものではない。裏返せば自信のなさの表れともいえる。
選挙は占領したウクライナ東・南部でも強行された。統治を既成事実化する狙いだろう。これに対し、日本を含む57カ国・地域は共同声明を発表し「国際法上、なんの効力も持たない」と非難した。
当然の対応だが、撤退を促すには行動も必要だ。軍事支援のほかに、多くの国の参加が可能で効果的なのはロシア経済に打撃を与えることだ。西側主導の制裁に距離を置く国を説得し、取り込んでいく努力が引き続き重要になる。
プーチン氏5選 欺瞞で「圧勝」を演出した(2024年3月19日『産経新聞』-「主張」)
ロシア大統領選が行われ、プーチン氏が史上最高の得票率87%超の「圧勝」で通算5選を決め、「国民からの信頼に感謝する」と勝利を宣言した。
だが、これは欺瞞(ぎまん)に満ちた選挙である。
ウクライナ侵略に反対し、「反政権」「反戦」を訴えた立候補者が事前に排除されるなど、民主的な選挙の片鱗(へんりん)もみられない。
4年前に恣意(しい)的に改正された憲法の規定で、プーチン氏は今後最長で2期12年、83歳まで通算36年の統治が可能となる。ソ連時代のスターリンを上回る事実上の終身独裁である。
プーチン氏は「欧米が仕掛けた戦争から国を守る」と偽って支持を集めた。折しも18日はウクライナ南部・クリミア半島を一方的に併合してから10年である。国民の愛国心を煽(あお)り、侵略継続を正当化して欧米との対決姿勢を強めたいのだろう。
今回の選挙の不当性は実態をみれば明白だ。選挙スタッフが武装兵と一緒に家庭を回り、投票を強要したクリミアと東・南部4州の占領地での行動は典型である。ウクライナのゼレンスキー大統領が「選挙まがいの行為に正当性はない。彼らが恐れているのは唯一、正義だ」と反発したのは当然だ。
日本やウクライナ、米国、欧州連合(EU)など57カ国・地域は「非合法な大統領選の実施を最も強い言葉で非難する」との共同声明を発表した。林芳正官房長官は「(クリミアなどの)併合はウクライナの主権と領土一体性を侵害する明らかな国際法違反だ。これらの地域での大統領選実施も決して認められない」と非難した。西側諸国は欺瞞を糾弾し、ウクライナ支援の結束を強化すべきだ。
選挙結果とは裏腹に、なお「反プーチン」の機運が国内にあることも見逃せない。
刑務所で急死したプーチン氏の政敵、ナワリヌイ氏のユリア夫人は選挙前、投票最終日の正午を期した一斉抗議行動を支持者に呼びかけた。これに呼応して数十の都市で投票所に長い行列ができ、投票用紙にプーチン氏以外の名前を書くなど「反政権」の意思が示された。
いくら大統領選での「圧勝」を喧伝(けんでん)しようとしても、ウクライナ侵略など数々の暴挙をやめない限り、国内外の反発が収まらないことをプーチン氏は思い知るべきである。
プーチン氏5選 侵攻の正当化にはならぬ(2024年3月19日『新潟日報』-「社説」)
自由で公正な選挙ではなかったことは明白だ。驚異的な支持を得たことを、額面通りに受け止めることはできない。
ウクライナ侵攻に反対する主張を認めない選挙戦の結果であり、侵攻の正当化にはならない。
ロシア大統領選の投票が3日間行われ、現職のウラジーミル・プーチン大統領が通算5選を決めた。得票数は史上最高の7600万票を超え、90%近い得票率を得て他の3候補を圧倒した。
2000年の初当選以来、24年間実権を握っているプーチン氏がさらに6年間統治する。反対勢力への弾圧など独裁体制が一層強まることが懸念される。
22年2月にロシアがウクライナに侵攻して以来、初の大統領選だった。プーチン氏は、「選挙への参加は愛国心の表現だ」と、国民に投票を呼びかけていた。
政権側は大統領選で初めて投票期間を3日間にしたり、電子投票を導入したりして、投票率の向上を図った。
プーチン氏は国民の幅広い支持を演出して、高い得票率を侵攻への「信任」とみなし、軍事力を一層強化する狙いなのだろう。
当選後にプーチン氏は「国民の信頼に感謝する」と述べ、ウクライナ侵攻を目的達成まで続けると明言した。
だが、選挙戦で侵攻を批判した候補者はおらず、侵攻の是非は争点にならなかった。
侵攻反対を公言した野党元議員は中央選挙管理会に候補者登録を拒否された。侵攻反対票の多さが顕在化することを恐れたのではないかとの見方さえある。侵攻が信任されたとは、とても言えない。
投票所に火炎瓶が投げつけられるなど投票妨害が相次いだのは、政権への強い不満の表れだ。人権団体によると、各地で多くの人が拘束された。
許されないのは、ロシアが一方的に併合を宣言したウクライナ東部・南部4州の占領地で選挙を強行したことだ。
銃で武装した兵士らが戸別訪問し投票を強制したほか、誰に投じたかが分かるように投票用紙を折り畳むことを禁じたという。
民意を反映した選挙には、程遠い状況だ。ウクライナをはじめ日本や米国を含む56カ国と欧州連合(EU)が、「非合法な大統領選の実施を最も強い言葉で非難する」との共同声明を出したのは当然と言える。
独立系機関が1月に行った世論調査では、和平交渉開始を支持する回答が52%で、作戦継続支持の40%を上回った。侵攻の批判は刑事罰に問われる状況にもかかわらず、隣国との和平を願っている国民が多くいることが示された。
戦闘は膠着(こうちゃく)し収束は見通せない。プーチン氏は異論を封じ込めるのではなく、和平の道への転換を進めるべきだ。
(2024年3月19日『新潟日報』-「日報抄」)
投票箱を持った選管係員が兵士と住宅を一軒一軒回っていた。ロシアが一方的に併合を宣言し、大統領選を強行したウクライナ南部の男性は取材に、こう証言した。「うその選挙に意味はない」。怒りをあらわにする住民もいた
▼ロシア大統領選は、プーチン氏が圧倒的な得票で通算5選を決めたという。ほかに3人の候補者がいたが、ウクライナ侵攻反対を訴える元下院議員らは中央選管に候補者登録を拒否された。選挙戦で侵攻を批判する候補はいなかった
▼国の命運を左右する課題が選挙で議論されない。そんな選挙に何の意味があるのかと首をかしげるが、ロシアの政権にとってはプーチン氏の統治が圧倒的な信任を得たと演出することが目的だったようだ。当局を挙げて圧勝キャンペーンを展開した感がある
▼選挙は民主主義の根幹をなす。ただ強権政治の下では、選挙の結果も為政者側の思うままになりがちだ。民主主義のもろさが見て取れる。一方で、こうも言えないか。曲がりなりにも選挙を経て為政者が選ばれるという形が取られるのは、権力側も民主主義を無視はできない証しである
▼民主主義は正しく使われれば統治者の暴走を防ぐ手だてになる半面、使われ方によっては統治者の正統性のアピールに利用される恐れがある。私たちは、絶えず民主主義を磨いていかねばならないのだろう
▼例えば、不透明な資金を使って政治をゆがめるような事態を見過ごしてはなるまい。ロシアの現状に、そんな思いを一層強くする。
プーチン氏5選 異論封じた不公正な選挙(2024年3月19日『信濃毎日新聞』-「社説」)
ロシアの大統領選でプーチン大統領が9割近い得票を得て、5選を決めた。
任期は6年だ。プーチン氏は首相だった4年間を含め、事実上30年という異例の長期にわたり、実権を握ることになる。
プーチン氏は「国民の信頼に感謝する」と勝利宣言。選挙結果をウクライナ侵攻に対する国民の信任とみなし、目標達成まで侵攻を続ける構えである。
ただし、この選挙は公正に実施されておらず、国民の意思が反映された結果とは認められない。
ロシアでは軍に関する「虚偽情報」の拡散に刑事罰が導入されており、公然と侵攻を批判することはできない。選挙戦でも全候補者が侵攻に賛成で、有権者には選択の余地がなかった。
侵攻に反対して立候補を目指したナデジディン元下院議員は、候補者登録に必要な10万人の有権者署名を集めたのに、中央選管が無効署名が多数含まれているとして却下した。同氏の不服の訴えも最高裁判所が退けている。
独立系メディアの今年1月の世論調査では、和平交渉開始を支持する回答は半数を超えた。選挙結果との乖離(かいり)は明らかだ。
選挙戦では、国民の抗議行動も行われた。今年2月に刑務所で死亡した反政府活動家ナワリヌイ氏の妻が呼びかけたプーチン氏以外への一斉投票に対し、各地で呼応した動きがみられた。20都市で80人超が拘束されている。
反対派の候補を排除したのは、国民世論の実態が顕在化することを恐れた結果だろう。異論を強権的に封じ込めて選挙に勝利しても国際的な信任は得られない。
プーチン氏は国内世論に真摯(しんし)に向き合って侵攻を中止して、ウクライナから撤退するべきだ。
ロシアは一方的に併合を宣言したウクライナ東部・南部4州の占領地でも投票を実施した。武装した兵士が戸別訪問して投票を強制し、誰に投票したかチェックしたとの証言もある。併合を既成事実化する狙いは明白だ。国際法違反であり、結果は無効である。
通算4期を務めたプーチン氏が今回出馬できたのは、同氏が主導した2020年の憲法改定の結果だ。理論上は36年まで大統領職にとどまることが可能だ。
長期政権が異論を排除して独善的になり、民衆から離れていくことは、旧ソ連を含めた歴史が証明している。憲法すら意のままに改定し、不公正な選挙で政権に居座るのは、国民の政治的な自由を否定する独裁である。