JR京葉線の通勤快速廃止、沿線の反発収まらず 新ダイヤ運行開始(2024年3月17日『毎日新聞』)

ダイヤ改正を巡って反発が広がっているJR京葉線=千葉市中央区で2024年3月15日、長沼辰哉撮影

ダイヤ改正を巡って反発が広がっているJR京葉線千葉市中央区で2024年3月15日、長沼辰哉撮影

 

 JR東日本ダイヤ改正により16日、京葉線(東京―蘇我)で通勤快速を廃止した新ダイヤの運行が始まった。2023年12月のダイヤ改正発表以来、「市民生活に計り知れない大打撃になる」(千葉市長)などと沿線自治体などからの激しい反発を招き、一部変更されたものの、朝夕の快速の大半は廃止される。沿線からは依然、ダイヤの再検討を求める声が上がる。【長沼辰哉、柴田智弘】

 通勤快速は蘇我千葉市中央区)から新木場(東京都江東区)までノンストップで走る。同月15日に発表されたダイヤ改正は、平日朝の上り2本、夕に下り2本あった通勤快速を廃止し、日中を除く快速を全て各駅停車に変更するというものだった。JR千葉支社は「コロナ禍前と比較しても利用は7・5割程度。行動様式やライフスタイルの変更に合わせて設定した」などと説明したが、波紋は大きかった。

 朝の通勤快速は1本は内房線、もう1本は外房線東金線からの列車が京葉線に乗り入れている。このため影響は大きく、千葉市を含む沿線の20市町の首長が連名でダイヤの再検討などを求める要望書を提出し、県内経済団体や地元住民からも反対の声が相次いだ。

京葉線の停車駅
 

 反響の大きさに、JR千葉支社はダイヤ改正の一部を見直し、平日と土休日の朝の上りの快速2本の運行を継続すると発表。これで朝の快速は一部復活したものの、通勤快速の廃止は変わらない。これまで快速が通過していた駅の乗車可能回数は増えるが、快速の本数は平日で59本から26本に、土休日で89本から49本に減少する。

 熊谷俊人知事は15日、ダイヤ改正について「一部見直しがあったものの、県としては容認できず、速やかに通勤快速の復活も含め速達性の確保を検討してほしい」と述べた。一方、千葉市は15日、23日からダイヤ改正の影響を問うアンケートを実施することを明らかにした。

 利用者はどう見るか。千葉市中央区の棚田琉生さん(18)は「蘇我は特に朝の時間、通勤客など人が多いイメージだ。便利な快速が大幅に減ることで与える影響を考えると不安だ」と話す。一方、千葉市中央区のアルバイトの40代男性は「通勤快速が無くなってもあまり支障がない。(通勤快速や快速の)通過待ちでホームで停車する電車が減る点は良いと思う」と語った。