(ブルームバーグ): 三井住友銀行は6日、工藤禎子専務執行役員(59)が4月1日付で代表権のある副頭取に昇格する人事を発表した。
副頭取に女性が就くのは、少なくとも現在の3メガバンク体制となってからは初のケースとなる。
同氏は1987年に女性総合職第1期生として旧住友銀行(現三井住友銀行)に入行。入社3年目に国際業務部に配属され、プロジェクトファイナンス事業を担った。2014年には三井住友銀で初の女性役員に就任。現在はリスク管理や投融資企画などの部門を担当する。持ち株会社である三井住友フィナンシャルグループの取締役執行役専務も兼任している。
政府は2030年までに女性役員30%以上の目標を掲げるが、日本企業では女性役員は依然として少ないのが現状だ。社外を除いた取締役に限ってみれば、三菱UFJ銀行やみずほ銀行に女性はおらず、三井住友銀の工藤氏のみとなる。
大和総研の太田珠美主任研究員は「銀行で働いている女性にはポジティブな影響があるだろう。こうして初めてのケースが出てくれば、後に続く人や会社も出やすくなる」と述べた。その上で「銀行では取締役や執行サイドでも上位の役員の中にまだ女性は少なく、見えない天井があると思う。取締役にまとまった数の女性が入るなどしないと、十分に意見も反映されない」と語った。