国会内を走る記者。
二転三転する政治倫理審査会が、28日、大きく動いた。
岸田首相:
「私自身、自民党総裁として政倫審に自ら出席し、マスコミオープンのもとで説明責任を果たさせていただきたい」
午前11時前、岸田首相自ら政倫審に出席する考えを明らかにした。
過去に9回開かれた政倫審だが、史上初の現職首相出席。永田町に激震が走った。
政倫審をめぐっては、出席する意向を示した安倍派幹部ら5人が、公開での出席を拒否し、完全公開を求める野党と対立。
27日、西村前経産相と武田元総務相が一度は公開に応じる意向を示したが、その後、撤回するなど、混乱が続いていた。
与野党の協議が行き詰まる中、状況を一変させたのが、岸田首相のサプライズ出席だった。
与党幹部は「びっくりしたね、総理は捨て身の対応に出たのかなと」と話した。
岸田首相がマスコミオープンの形で出席する考えを明らかにしたことを受け、安倍派幹部の1人は、当初、「もう僕たちは出なくていい」とこぼしたものの、その後、「総理がああ言った以上、同じ条件でわたしたちも出るしかないよね。別々の対応をするわけにもいかないでしょう」と話した。
そして正午ごろ、政倫審の開催に向けた協議が始まると、足早に歩く与野党の議員を多くの記者が取り囲んだ。
午後2時過ぎ、与野党の幹事による協議が開始。
部屋の外では、通路の両端に20人以上の記者が並び、その行方を注視していた。
そして政倫審の開催が、ついに正式決定した。
立憲民主党 衆院政倫審・寺田筆頭幹事:
「公開に関しては、テレビ・生中継を含めて、全面公開にするところにようやく到達しました」
全面公開で行われる政倫審には、29日、岸田首相と武田元総務相が出席。
3月1日には、安倍派の幹部4人が出席する。