「元々、内閣支持率がなかなか浮上のきっかけを掴めない中、能登半島地震や自民党派閥の裏金問題への対応の物足りなさに加え、盛山正仁文科相と旧統一教会側との関係が新たに浮上するなど、足元をすくわれる案件がどんどん続いていますね」 と、政治部デスク。 「首相を長年支え、現在は政務秘書官を務める山本高義氏の不適切な銀座のクラブ通いが報じられ、政権運営が好転するきっかけをなかなかつかめないままです」(同)
そんな中、岸田首相が舌打ちを繰り返すようなシーンがあったのだという。
普段は強気だが
「2月19日に発表された産経新聞・FNN(フジニュースネットワーク)による世論調査で、内閣支持率が前月から5.2ポイント急落し、過去最低の22.4%を記録しました。これを知った岸田首相は舌打ちを繰り返していたようです。普段から支持率に一喜一憂しつつもそれを外には決して見せないタイプなのですが、さすがに我慢できなかったのかもしれません」(同)
他の世論調査と合わせ、国民の心が離反していることを目の当たりにさせられ、イライラが募り、つい素の顔が出た瞬間だったのかもしれない。とはいえ、タフというべきか、政権運営に関する気力が衰えたということもなければ、弱音を吐くような事態にはなっていないとされる。
「内閣支持率がどこで底を打つかによりますね。このまま右肩下がりを続けるなら、逆境に強い岸田首相もさすがに気持ちが萎えてしまうのではないかと見られています」(同)
そこで永田町では、実際に「岸田おろし」ののろしが上がるのはいつか、首相の心が折れるのは何時ごろかという話が取り沙汰されているという。
茂木幹事長の考え
「4月28日に行われる東京15区、島根1区、そして長崎3区の衆院補選の結果がひとつのタイミングになりそうです。与党が候補を全選挙区で立てるか否か未確定ですが、0勝2敗か0勝3敗か、いずれにせよ“勝てない”となると、岸田首相の責任論、退陣論に発展することでしょう。選挙を取り仕切る茂木敏充幹事長は岸田政権を追い込むため、3選挙区での擁立にこだわり、0勝3敗を敢えて目指すかのような動きを見せています。」(同)
もっとも、東京15区では野党候補が乱立し、共倒れの可能性が指摘されている。一方の与党には都民ファーストの候補に相乗りする動きも見られるが、いつ状況が変わるかも知れず、与党にとって楽観視できるものではないだろう。
「むろん、選挙で敗北すれば茂木氏自身の責任も問われるわけですが、それよりも首相が追い込まれて退陣するほうが先だろうと見越しているフシがあります。つまり、補選で負けた場合には『岸田おろし』はなくなる、なぜなら首相が自発的に辞任するから、という見方すら浮上しています。茂木氏もそれを狙っているのかも知れません」(同)
いよいよ岸田政権の最終章に入ってきたのか、それとも……。
デイリー新潮編集部