小田原市議長ら、視察先で熟女キャバクラ 公務超える4時間遊興(2024年2月27日『毎日新聞』)

本会議冒頭、「行政視察中の行動」について説明する大川裕議長(左)=2024年2月27日、本橋由紀撮影拡大
本会議冒頭、「行政視察中の行動」について説明する大川裕議長(左)=2024年2月27日、本橋由紀撮影

 神奈川県小田原市議会の大川裕(ゆたか)議長ら議員5人と議会事務局の職員1人が、昨年7月の行政視察中に大阪市内のキャバクラ店などで深夜まで遊んでいたことが判明した。大川議長らが27日に開かれた本会議などで説明した。「プライベートの時間に私のお金で行ったので不適切ではない」と釈明した上で、過去にも視察中にキャバクラ店に入ったことも明らかにした。

 議会事務局によると、視察には正副議長と議会運営委員会の議員8人、職員1人が参加。昨年7月27日から1泊2日の日程で、大阪府八尾市議会を1時間半、岸和田市議会を2時間視察。大阪市内に宿泊した。移動や宿泊にかかった約57万8000円は公費負担だった。

 大川議長は27日夜、視察メンバー全員と夕食会に参加。その後、議員と職員の5人と一緒に午後8時半~10時半ごろ、大阪・心斎橋の熟女キャバクラ店に滞在した。さらに別のバーに入店し、28日午前0時半ごろにホテルに戻ったという。視察は3時間半だったのに対し、遊興には約4時間を費やした。

 大川議長は27日の本会議冒頭で「行政視察中の行動は法に触れるものではない」と発言。本会議後にも報道陣の取材に対して「地元の人に紹介されて行った店。プライベートなのでその場では問題ないと思った。(今回の問題は)議会として議員の総意として問題ないと考えている」と述べた。さらに過去の視察中に3回程度、キャバクラ店に入ったことも明らかにした。

 複数の関係者によると、大川議長らの行動を問題視する匿名の告発文が昨年9月、篠原弘副議長と議会事務局に届いた。議員らが入店する場面を撮影した写真なども添えられ、「信用を失墜した」などとして謝罪や辞職を求める内容だったという。

 大川議長は27日、告発文があったことは公益通報者保護を理由に明らかにしなかったものの、「辞職を強要されたと感じた」として小田原署に被害届を提出したと説明。同署が容疑者不詳で受理し、強要未遂容疑で捜査している。

 一方、議会事務局職員も視察中にキャバクラ店で遊興したことについて、吉野るみ議会事務局長は「(職員の行動は)プライベートの時間なので問題はない。今後は自分で判断してほしい。節度のある行動をするようにと伝える」と説明した。【本橋由紀】