「なんで議員は○○君って呼ぶの?」小学生の素朴な疑問が品川区議会を変えた 「君」から「議員」へ 他の自治体は?(2024年2月23日『東京新聞』)

東京都品川区議会は20日に開会した第一回定例会から、議場での議員の呼び方を「君」から「議員」に変えた。傍聴に訪れた小学生の意見を受け、社会的状況を考慮し改めたという。
 区議会事務局によると、昨年11月下旬、区立後地(うしろじ)小の6年生33人が議場を訪れ、定例会を傍聴。その後のアンケートで、児童4人から「議長が議員を『○○君』と呼ぶのが不思議だった」「気になった」などの意見が寄せられた。これを受け、議長がジェンダー平等や男女共同参画の観点から、今月の議会運営委員会で議員に統一することを提案し賛同を得たという。
 事務局の担当者は「今は学校でも教員が全児童をさん付けで呼んでいる。ギャップに違和感を抱き、率直な意見を書いてくれたのではないか」と振り返り、「今後も区民に身近な区議会を目指し、区民の意見を聴きながら議会の改革に取り組みたい」と話した。

◆23区では「君」の呼び方は少数派

 同区事務局などによると、23区では、議員の呼び方を「君」のままにしている議会は少数派。「議員」や「さん」に変えているところの方が多いという。都議会は男性に「君」、女性に「さん」と使い分けている。国会は「君」が一般的だが、衆院では1993年に土井たか子議長(当時)が、2018年に野田聖子予算委員長(同)が議員を「さん」付けで呼んでいた。(奥村圭吾)