“アポ電強盗致死”被告の男3人に無期懲役判決 東京地裁「安易に金を…悪質さ際立つ」(2024年10月22日『日テレNEWS NNN』)

5年前、いわゆる「アポ電」を受けた高齢女性を死亡させ強盗致死などの罪に問われた男3人のやり直しの裁判で、東京地裁は22日、3人に対し、無期懲役の判決を言い渡しました。
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「安易に金を手に入れたいという欲求から、犯行をエスカレートさせていき、悪質さが際立つ」
22日の裁判でいわゆる「アポ電強盗」の被告3人に向けられた、厳しい言葉。判決は「無期懲役」でした。
2019年2月、東京・江東区で当時80歳の女性が死亡した強盗致死事件。
須江拓貴被告(27)、小松園竜飛被告(33)、酒井佑太被告(28)の3人は、資産状況などをたずねる電話「アポ電」を受けた女性の自宅に押し入り、暴行を加えて死亡させた罪などに問われています。
女性は部屋の中で手足を縛られ、口をふさがれた状態でなくなっていたということです。
初公判で被告側は「テープをずらして息ができるようにしました」と主張し、強盗致死の罪が成立することは争わないものの、女性を窒息させていないとして、死因については争うと主張。
1審は、女性の死因を“慢性心不全の急な悪化”と認定し、須江被告に懲役28年、小松園被告と酒井被告に懲役27年を言い渡していました。
しかしその後、2審の東京高裁は「被害者が高齢と認識しながら強度の暴行を加えていて、犯行の危険性を認識していた」として1審の判決を取り消し、裁判は「やり直し」になりました。
そして22日。3人に対し、東京地裁が言い渡したのは、無期懲役の判決。3人はまっすぐ前を見て判決を聞き、須江被告は不満そうな顔で席に戻りました。
東京地裁は、「当時80歳で自立して生活していた被害者は、犯行がなければ、この時点で命を落とすことはなかった」と指摘。
その上で、「わずか4か月の間に、窃盗事件や強盗事件などを繰り返し、いくつかの成功体験を積み重ね、安易に金を手に入れたいという欲求から、犯行をエスカレートさせていき、悪質さが際立つ」「刑事責任は相当に重い」として、無期懲役の判決を言い渡しました。
(10月22日放送『news zero』より)