7月26日のパリオリンピック(五輪)開幕まで、6日で50日前となった。各競技で続々と代表内定選手が発表される中、注目を集めるのが団体球技だ。日本は全7競技で出場権を獲得。自国開催を除けば1932年ロサンゼルス五輪以来、92年ぶりの快挙となる。現時点で五輪切符を得た各競技の注目選手を紹介するとともに、全ての団体球技出場につながった背景をひもとく。
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パリ五輪を前に逆境に立たされている。23年に世界最高峰シリーズから降格し、今季は下部シリーズを転戦。だが、5月に昇降格を争うプレーオフ進出を逃した。主将を務めた石田は「オリンピックに出場するチームで、こんなにどん底を味わっているチームはないと思います。だからこその強さ、というものを出していきたい」と絞り出した。
3年前の明大3年時に東京五輪を経験。大阪・常翔学園高の先輩である松井千士(横浜)が主将を務めたチームは、11位となった。自身は翌22年に明大の第99代主将に就任。下級生の頃から代表活動で長くチームを離れ、全国大学選手権を8強で終えると「全て自分の責任」と涙した。
魅力は切れ味鋭いステップ。23年春に横浜へ入団したが、7人制に軸足を置いた。パリ五輪は開幕2日前の24日からサッカーとともに1次リーグが始まり、日程次第では日本選手団初陣となる可能性もある。「ラグビーがメダルを取れれば、日本選手団としてもいいスタートを切れる。プレッシャーではなく、楽しんでいきたい」。強豪国との対戦が少ない分、あっと驚かす日本のラグビーでダークホースになる。【松本航】