政倫審にSNSから注文殺到!「お答えを差し控える」「記憶にない」《弁明禁止ワードつくるべき》(2024年2月22日『日刊ゲンダイ』)

弁明禁止ワードをつくるべき(安倍派の塩谷立座長=左、と安倍派5人衆)/(C)日刊ゲンダイ
  
 自民党派閥の政治資金パーティーの裏金事件を巡り、野党側が開催と議員の出席を求めていた衆院政治倫理審査会(政倫審)について、自民党20日、安倍派座長だった塩谷立・元文部科学相(73)と二階派事務総長だった武田良太総務相(55)が応じる意向であると、立憲民主党に伝えた。

 政倫審で議員の弁明を聴取するには、本人が申し出るか、委員の3分の1以上で申し立てて出席委員の過半数により議決することが必要。立憲など野党4党は裏金事件に関わっていたとされる安倍、二階両派の衆院議員51人全員の出席を要求し、自民側もこれらの議員に対して出席の意向確認を始めているものの、慎重姿勢を示す議員が少なくない。

 安倍派「5人衆」と呼ばれた幹部では、事務総長を務めていた西村康稔経済産業相(61)が20日、政倫審に出席する意向を森山裕総務会長(78)に伝え、21日には同派事務総長だった高木毅前国対委員長(68)と松野博一官房長官(61)、世耕弘成参院幹事長(61)も出席する意向を固めたと報じられたが、萩生田光一政調会長(60)は「明確な基準が公表され、その対象になるなら、出席を拒むものではない」などと態度を明らかにしていない。

■弁明が実現すれば2006年以来となる政倫審だが…

 別の安倍派幹部は「どんな質問をされるか明確になれば(検討する)」と説明しているというのだが、大臣答弁ではないのだ。自身が「適正に処理していた」と主張するのであれば、正々堂々と政倫審に出席してすべての真実を明らかにすればいいだけのこと。

 安倍派幹部から出席について「明確な基準」を求めている声が出ていることに対し、SNS上では「出席時の弁明基準」を要望する投稿もみられた。

《出席に関する明確な基準は、裏金を1円でも作っていた議員。そして出席した際の基準として、次の言葉を言ってはならない。「記憶にございません」「秘書に任せていた」》

《政倫審に出席するだけでは、ダメ。「お答えを差し控える」「関係書類は全部破棄した」といった弁明禁止ワードをつくるべき》

 2021年の衆院選で旧統一教会(現世界平和統一家庭連合)の関係団体から支援を受けていた疑惑が浮上した盛山正仁文部科学相(70)は国会答弁で「記憶にない」を連発して問題視されていたが、弁明が実現すれば2006年以来となる政倫審でも同様の事態にならないことを願うばかりだ。