なぜ「傷つけていたならゴメン」と言えなかったのか…それでも鈴木涼美氏が「松本人志さん追放には賛成できない」理由とは(2024年2月20日)

なぜ「傷つけていたならゴメン」と言えなかったのか…それでも鈴木涼美氏が「松本人志さん追放には賛成できない」理由とは(2024年2月20日)

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文春オンライン

「傷つけていたならゴメン」となぜ言えなかったのか

「俺はそんなつもりじゃなかったけど、傷つけていたならゴメン」となぜ言えなかったのか。自分の名誉が傷つけられたことには敏感だけど、自分が傷つけたかもしれないことに関してはすごく鈍感な方だなと思いました。

 

松本さんは自分だけの面白さを追求できる人

 ただ、このまま松本さんを芸能界から追放してしまえ、みたいな論調には私は賛成できません。90年代ダウンタウンが隆盛を極めた頃、私は結構テレビを見ていたのですが、松本さんの司会は新しかった。それまでのバラエティ番組はひたすら美人を褒め、ブスを貶め、その落差で笑いを取るみたいなスタイルでしたが、松本さんは一番の美人から果敢にいじった。松雪泰子森高千里安室奈美恵、多くの人が日本で一番綺麗だと思っているタレントに対して「綺麗ですね」と言う以外の扱いをしたという意味では、それまでのステレオタイプを取っ払った新しさがあった。それが私には女の子として、すごく印象が良かったんです。

 もちろんその新しさも30年経った今では古いものになったかもしれないけど、松本さんは世間の「当たり前」にとらわれない、自分だけの面白さを追求できる人なのだと思います。

 

10年前から考えがアップデートされるのは当たり前

 過去の発言をあげつらい、松本さんの出演番組を「放送中止にしろ」と迫る署名活動にまで発展したこともありますが、やり過ぎでしょう。そんなこと言ったら、私のAV女優時代の台詞を掘り返されたらテレビになんて絶対に出られないですよね(笑)。

 別に最近の松本さんは変態的な発言をしているわけではありません。10年前から考えがアップデートされるのは当たり前です。過去に何か間違ったことを発言した人が、今も変わらず同じ考えだとする人がこれほど多いことの方が、私には不思議に思えます。

◆ ◆ ◆

 2月14日(水)12時配信の 「週刊文春 電子版」 および2月15日(木)発売の 「週刊文春」 では、お笑い界に革命をもたらした男が、なぜ女性たちから告発されるに至ったか――その道程を尼崎、心斎橋、六本木と総力取材で追った 「《実録・松本人志》なぜ『笑いの天才』は『裸の王様』になったか」 を掲載している。

 さらに、 「週刊文春 電子版」 では橋下徹氏、箕輪厚介氏、江川紹子氏ら計8人の論者による 「松本問題『私はこう考える』」 を配信している。

 

週刊文春」編集部/週刊文春 2024年2月15日号

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