普通選挙への道(2024年2月20日『宮崎日日新聞』-「くろしお」)

 家でくつろぐ青年のスマホに、友だちからメッセージが届く。選挙の投票への誘いだ。当日、会場に着いた青年は“どん引き”する友だちを尻目にバッグからいろんなものを取り出す。印鑑に戸籍謄本に…。

 3回目を迎える県選挙管理委員会主催の「選挙啓発動画作品コンテスト」の本年度最優秀作品で、タイトルは「選挙は手ぶらで大丈夫!」。宮崎マルチメディア専門学校「team13」が制作した。24日まで宮崎市のアミュ広場の大型ビジョンで放映されている。

 「気軽に投票へ行こう」という、同世代へのメッセージが分かりやすく込められた秀作だ。また、17日には若者が選挙や政治について意見発表する「わけもんの主張」の県大会があり、県内各地区から選ばれた17~29歳の8人が出場。投票の意義などについて熱く語った。

 きょうは「普通選挙の日」。1928(昭和3)年のこの日、日本で初めて普通選挙が実施された。納税額に関係なく、全ての成年男性に選挙権が与えられて行われた初の選挙。1946(同21)年に女性にも選挙権が与えられ、完全な普通選挙が実施されるまでには、さらに18年の年月を要した。

 長い歴史を経て手にした選挙権。啓発動画コンテストや「わけもんの主張」の参加者のように、その意義をしっかり考える若者がいることを毎年のことながら心強く思う。動画も「わけもん―」も後日、県選管のホームページに作品が掲載される。ご覧あれ。