<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>
純烈をこのほど、インタビューした。15年目で初の日本武道館公演を大成功させた直後だった。大仕事を終え、少しは開放感に浸っているかと思いきや、忙しさはさらに加速していた。
新聞の見出しをつける弊紙の整理記者が、今回のインタビュー記事で「純烈 25年も勢い猛烈」と表現したのは、身内ながら見事な見出しだった。
純烈の成功は、やはり酒井一圭(49)の類い希なリーダーシップ、発想力、交渉力等々のたまものだろう。酒井本人は自らをこう分析する。
酒井 俺、適当にいろんなアイデア出すだけやから。別に滑っても構わんというキャラクターじゃないですか。だから有言実行の人に見えるけど、その他、100、200言っているウソがあるわけですよ。それの1本通ったのが(日本武道館という)でかいことなので、有言実行の人って言っていただけるんですけど、もう身内は散々振り回されてる。明日あれやろうぜって言っているのを、次の日になったら、そんなこと言うてへんやろうっていうのが僕の正体なので。
白川 俳優時代からちょっとぶっ飛んでいるところがリーダーにはあった。そういう人ってあまり周りにいなかったし、そういった先輩がいなかったから、僕はかえって面白かったんですよ。だから、この人だったら、自分の人生を懸けられるかな、みたいな。
後上翔太(38)は東京理科大を中退して純烈に入った。就職氷河期で、先輩から紹介された酒井の情熱に心が動いてメンバーに加わった。後上は「株式会社純烈イコール酒井一圭」だからこそ、純烈には解散危機などがないと説明してくれた。
後上 自分の社会人1発目が純烈、就職先ですよね。大手商社に就職した人に近いと思います。例えばこれが中小企業だったりベンチャーに就職していたら、自分の意向が反映されたりするじゃないですか。だけど、大手商社に就職した人って、ワンオブゼム(大勢の中の1人)です。我を出し過ぎず、主義主張をそんなにしない。純烈の今の状態を成功とするならば、それがたぶん最大の理由。そうでなければ、よく耳にする音楽性の違いによる解散が待っていると思うんです。
来年3月いっぱいで岩永洋昭(45)が卒業して、メンバーは結成当初からの3人になる。もちろん、新しいメンバーの加入もあるだろう。“酒井社長”率いる大手商社純烈の新入社員が、いまから楽しみである。【笹森文彦】