旧安倍派の“裏金夫婦”が迎える絶望的状況…丸川珠代議員&大塚拓議員、党の処分にも“逆ギレ”で同情得られず(2024年10月19日)

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号泣しながら演説する丸川珠代議員(写真・時事通信
小選挙区1本です。どうかお助けください」
 参議院議員から鞍替えし、東京7区から自民党公認で立候補した丸川珠代氏が連日、涙ながらに落選危機を訴えている。
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【写真あり】結婚した当時の丸川珠代議員と大塚拓議員
「丸川さんは、清和会からバックされたパーティー券の還付分822万円を政治資金報告書に記載していなかったとして、党から戒告処分を受けました。また、今回の選挙では比例名簿への記載を見送られたため、小選挙区で当選しなければ落選が決まります」
 危機的状況を救うべく、“大物婦人”も応援にかけつけている。港区区議が苦笑気味に明かす。
「16日、安倍晋三元首相の妻、昭恵さんが応援のために選挙区入りしました。昭恵さんは、『主人が撒いた種が丸川さんの中で育ってくれたら』と強く訴えていましたが、『撒いた種=裏金事件』だという捉え方をした人もいて、少しざわつきました。丸川さんは選挙というよりも、釈明に追われている状態。かなり厳しい戦いになるでしょうね」
 参議院選挙では当選3回を数え、直近2回は東京選挙区でトップ当選も果たしている。環境相や五輪相も歴任した丸川氏だが、港区と渋谷区で構成される新7区への浸透具合はまだまだ未知数だという。先の区議がこう続けた。
参議院選挙で各区別の得票数が高かったことで、勝機ありと踏んだんでしょう。しかし、知名度で集票できる東京選挙区と違い、小選挙区はやはり“どぶ板”です。地域の代表として、票の掘り起こしをしなければなりません。釈明ばかりでは埒があきませんよ。しかも、三つ巴とされる立憲民主党の松尾明弘さん、日本維新の会の小野泰輔さんも現職議員で重複立候補です。丸川さんの余裕のなさがマイナスに働いていますね」
 さらに丸川氏の場合、“家族”も窮地に立たされている。
「夫であり、同じく旧安倍派の大塚拓氏も528万円の裏金が発覚し、党から戒告処分を受け比例名簿への記載がありません。2012年から埼玉9区で連続4回当選しているものの、これまで3回連続で戦っている立憲民主党の杉浦慎治氏との票差は、毎回、縮んでいます。
 大塚氏は、もとは狭山市長だった大野松茂元議員の地盤を継いだ落下傘です。頼みだった大野元議員の後援会は高齢化が進んでいる一方、自前の後援会組織が整備できていません。そもそも、裏金問題で党から処分を受けたときに、大塚氏は『強い憤りを覚える』と“逆ギレ”していたんですよ。今更、反省を述べても、なかなか理解は得られないでしょう」(後援会関係者)
 これまでは、夫婦で互いの選挙区に入り、応援演説をすることで文字通り支え合ってきた2人。だが、今回はこの強みを活かすこともできない。
「この2人が並んだら、“裏金夫婦”だと揶揄されるのは間違いないですからね。あらゆる武器を封印されてしまい、打開する手立てがない絶望的な状態です。大塚氏の発言が象徴するように、裏金事件に対して有権者の怒りがこれほどまでに強いということを、わかっていなかったのがそもそもの原因です。2人にもそれぞれ言い分はあるでしょうが、政治資金の不記載があったのは間違いない。同情できないですよ」(前出・後援会関係者)
 民意は10月27日にわかるはずだ。
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“裏金夫婦”ピンチ 丸川珠代氏、東京7区に鞍替え出馬 安倍昭恵さん応援も逆風 立民・松尾氏と競る展開(2024年10月17日『ポニチアネックス』)
 
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安倍昭恵さん(左)と並んで街頭演説する丸川珠代氏(撮影・光山 貴大)
 東京7区から出馬した自民党新人の丸川珠代氏が、厳しい戦いを強いられている。参院からの鞍替えで注目を集めながら、旧安倍派で裏金事件に関与。党の公認は得られたものの比例代表との重複はない。埼玉9区で6期目を目指す夫で同党前職の大塚拓氏も裏金で大揺れ。夫婦ともに落選の影が忍び寄る。
 
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丸川五輪相は真っ赤な衣装で聖火リレーの出発式に出席「日の丸の赤」
 16日夜、渋谷区の商店街。政治の道に導いた安倍晋三元首相の妻・昭恵さんと共にマイクを握った丸川氏が「安倍先生がいないことが悲しい」と涙を流し「小選挙区一本です。どうかお助けください」と訴えた。昭恵さんも目元をタオルで拭い「主人のまいた種が丸川さんの中で育っていてくれたら」と安倍系を強調。演説後に2人で抱き合った。
 立憲民主党元職の松尾明弘氏と競る展開。戒告処分を受けた裏金事件の影響で、区議の一人は「有権者から“なぜ裏金候補をサポートしているのか”と言われる」とぼやいた。
 「タイミングの悪い」(都連関係者)鞍替えもマイナスに作用。参院東京選挙区で当選3回を重ね、直近2回はトップ当選。元アナウンサーという肩書に加え、環境相や五輪相も歴任し、今や都連の顔。しかし、都内全域が選挙区で自民支持団体の票が見込まれる参院選とは異なり、鍵となるのは地元での浸透度だ。
 地域の運動会や祭りに積極的に参加するなど、地道なドブ板活動で票の掘り起こしを図ってきたものの、区議は「参院議員の印象が強く、有権者からすれば“自分の選挙区から出る人”という認識が浅い。まだ地元に根付ききっていない」と顔を曇らせた。
 安定的な得票数を叩き出してきた大塚氏は現段階では優勢。しかし、立民新人の杉村慎治氏が追う状況で「差は縮まるのでは」との観測が出ている。
 戒告処分を受けた際「強い憤りを覚える」と発言し、有権者の間で「言い訳ばかりで信用できない」と広がった反発が沈静化したとは言えない状況。関係者によると、一部首長から苦言を呈されているほか、後援会の組織力低下もささやかれる。
 3回連続となった杉村氏との対決。17年に約5万票あった差は、21年は約3万票にまで詰められた。これまでは知名度のある丸川氏の応援が大きな効果を上げていたが、丸川氏陣営は「今回はそんな余裕はない」。大塚氏も応援には入らないという。ライバル陣営は「2人そろえば“裏金夫婦”とやゆされかねない。それを避けているのでは」とほくそ笑んだ。